著者
野村 紀匡 林 和弘
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
巻号頁・発行日
pp.67-72, 2019 (Released:2019-06-14)

本研究では,欧州発のPlan S(プランS)が日本の学術情報流通に及ぼす潜在的な影響について,論文分析を用いた分析結果をもとに考察を行った。まず欧州と日本が共著する論文のうちのプランS対象論文割合とそのオープンアクセス率を算出し,プランSと日本の関係を概観した。また研究分野別・論文著者所属機関別の分析を実施することにより,分野や機関によりプランSの影響度が異なるかを検討した。その結果,プランSの日本への影響は,米国や中国が受ける影響に比べると限定的ではあるものの,相対的に影響が大きい研究分野・機関があることが判明した。特に東京大,京都大,理化学研究所には,プランS対象論文の責任著者が比較的多く所属しており,今後欧州の研究者と共同研究をする際には,cOAlition S参加機関からの助成有無の確認,成果論文発表先ジャーナルの選定等において,プランSを念頭に置いた注意が求められる。