著者
竹田 美文 野村 隆司
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.74, no.9, pp.687-693, 2000-09-20 (Released:2011-02-07)
参考文献数
20
被引用文献数
2 3

わが国においては, 1999年 (平成11年) 4月から「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」が施行され, 感染症予防・医療体制の抜本的な見直しが図られた.法律に基づく感染症医療提供体制としては, 特定感染症指定医療機関, 第1種感染症指定医療機関及び第2種感染症指定医療機関の3種類が規定されている.最近, 都道府県毎に各2床整備することが定められている第1種感染症指定医療機関について,(1) 都道府県毎に各2床整備することの必要性,(2) 病室の構造等に関する施設基準,(3) ペストは2類感染症又は4類感染症での対応で十分であり, 第1種感染症指定医療機関での対応は必要ないといった新たな提言がなされている.本稿は, これらの提言への反論を含め, 薪しい法律に基づく感染症医療のあり方について包括的に概説し, 日本における感染症医療の方向性を検証することを目的とする.
著者
野村 隆司
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.88, no.11, pp.2189-2195, 1999-11-10

1999年4月1日から施行された感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律においては,これまでは全く異なった1類感染症, 2類感染症, 3類感染症, 4類感染症,指定感染症及び新感染症からなる感染症類型が設けられている.指定感染症は,旧法である伝染病予防法においても規定されていた事項であるが,感染症新法では,適応に当たっての手続保障の厳格化等を講じている.本稿では,指定感染症と新感染症の相違点を中心に感染症類型を概説する.