著者
鍋倉 淳一 住本 英樹 渡部 美穂 江藤 圭 金 善光
出版者
生理学研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

中枢神経における長期シナプス再編とその制御機構について生体イメージングを主な手法として検討をおこなった結果、障害神経細胞において、ミクログリアは直接の接触により、過剰興奮による細胞障害死を抑制していること。幼若期においてミクログリアは直接接触によりシナプス形成に寄与していることが判明した。慢性疼痛モデル動物を用いて検討した結果、大脳皮質においては長期固定シナプスと可変シナプスが存在し、痛覚入力持続などの環境が変化する場合、可変シナプスがより高率に再編されることが判明した。グリア細胞は発達期や脳障害後の回復期など脳機能が大きく変化する時期の神経回路の変化に重要な役割を持っていることが判明した。