著者
金 慶珠
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

日本の報道における歴史認識問題は「戦前の歴史をめぐる解釈の問題」として限定的にとらえている半面、韓国の報道においては「現在の日本社会における歴史の解釈の問題」としての時間軸の拡大を図っているところに大きな差が見られた。また、日韓両国ともに相手国の言動や反応に注目した記事が多く、その歴史認識問題の視点が自国内に向けられていないという共通点が見出される。こうした対立軸が合致しない現象(注視点のずれや視座の鮮明性)こそが日韓メディア情報における「視点の不一致」を生み出しており、そうした報道の視点構造が歴史認識問題に対する日韓の相互理解を妨げる一因であることが推察される結果となった。
著者
金 慶珠
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、日本の新聞報道における韓国大衆文化関連記事の分析を通じて、いわゆる「韓流」をとらえる日本のメディアの視点を具体化することを目的としている。研究の結果、新聞記事の量的変動は産業レベルでの文化交流の指標とは連動せず、むしろ政治レベルでの葛藤等に連動していることが明らかになった。また、記事の類型分析においてもメディアの視点が最も顕著に反映される[意見提示型]の割合は最も低く、間接的な意見提示に留まっていることが明らかになった。