著者
五十嵐 悠 高田 知永子 茅沼 秀樹 金子 政弘 入来 常徳 菅沼 常徳 朝見 恭裕 舟場 正幸
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.10, no.Supplement, pp.9-10, 2007-07-11 (Released:2012-09-24)
参考文献数
3

Mg,CaおよびP含量の高いドライフードを成雄ネコに給与した時の尿路結石の形成を調べた。6ヶ月間,上記フードを給与しても尿路結石は認められなかった。その後,ミネラル含量ならびにbase excess値が低いドライフードを給与すると尿沈渣量ならびにストルバイト結晶数が顕著に減少した。したがって,フードのミネラル含量は尿沈渣量やストルバイト結晶の形成には影響を及ぼすものの,尿路結石形成の十分条件ではないと判断された。
著者
大島 義之 和田 沙依子 田村 充宏 後藤 健 金子 政弘 舟場 正幸 入来 常徳 波多野 義一 阿部 又信
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.64-73, 2003-04-10 (Released:2012-09-24)
参考文献数
34

ネコにおけるシスチンの尿酸性化効果と有害作用の有無について検討した。健康な成ネコ6頭(平均3.3kg)を2頭ずつ3群に分け,1期8日間の3×3ラテン方格法により,L-シスチンを0,2.4,4.8%添加した3種類の実験食を各群に割り当てた。実験期間を通して実験食と飲水は不断給与し,各期最終5日間に増体量,摂食量,飲水量,尿量,糞量を測定した。また,毎朝新鮮尿を採取し,直ちにpHとストルバイト結晶数を測定した.残りの尿はMg,P,尿素態N,アンモニア態N,クレアチニン,遊離アミノ酸濃度の測定に用い,[Mg2+]×[NH4+]×[PO43-]によりストルバイト活性積を求めた。一方,各期最終日には頚静脈より採血し,ヘマトクリットと血漿中の総蛋白質,尿素態N,アンモニア態N,クレアチニン,および遊離アミノ酸濃度を測定した。尿および血漿のクレアチニン濃度を指標として糸球体濾過量も求めた。その結果,L - シスチンには等S量のDL-Metに匹敵する尿酸性化効果がある一方,DL-Metのような強い毒性はないことが明らかとなった。しかし体重の有意な減少なしに摂食量が減少したことから,インバランスは生じ得ることが示唆された。L-シスチンの適正投与水準はドライフード当たり2.4%以下と考えられたが,この問題に関しては今後さらに検討の余地がある。L-シスチンの投与がシスチン尿症または同尿石症を増加させるとの証拠はなかったものの,二塩基性アミノ酸- 特にシスチン, リジン,アルギニンーの尿中排泄に関するネコの特異性が示唆された。
著者
鈴木 達也 内山 明 金子 政弘 山本 広美 舟場 正幸 入来 常徳 波多野 義一 阿部 又信
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.12-20, 2003-01-10 (Released:2012-09-24)
参考文献数
29

健康な成ネコにおいて食餌のCP含量および炭水化物(粗繊維とNFE)含量が,水分出納およびストルバイト尿石形成の難易に及ぼす影響について比較検討した。実験1(n=12)では乾物当たりのCP含量が29%,50%および71%のドライフードを不断給与し,CP含量の影響を評価した。その結果,CP含量の増加に伴って飲水量と尿量は増加し,尿pHは低下し,[Mg2+]×[NH4+]×[PO43-]つにより求められるストルバイト活性積の負の対数(pSAP)は増加した。一方,尿不溶性の塩酸不溶性画分はCP摂取量の増加とともに減少し,尿中ストルバイト結晶数は逆に減少した。実験2(n=9)ではCP摂取量が等しく炭水化物摂取量が異なる3区間で比較した。対照食は実験1のCP71%食と同じで,他の2種類はCP含量が乾物当たり52%の高デンプン食と高繊維食であった。各区のCP摂取量がほぼ等しくなるよう給与量を調整した結果,炭水化物摂取量は対照区より他の2区で2.5-3倍多かった。その結果,飲水量と尿量には区間で差が生じなかった。対照区と比較して高炭水化物区はpSAPが低下し,特に高デンプン区は尿pHが上昇した。加えて,尿不溶性の塩酸不溶性画分と尿中ストルバイト結晶数は高炭水化物区で増加または増加傾向を示した。以上により,蛋白質とは異なり食餌中の炭水化物は,健康な成ネコにおいてストルバイト尿石形成を促進する可能性が示唆された.
著者
大石 亮 金子 政弘 入来 常徳 朝見 恭裕 舟場 正幸
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.9, no.Supplement, pp.15-16, 2006-07-13 (Released:2012-09-24)
参考文献数
5

成ネコと成イヌの尿成分を比較した。尿p H はイヌの方が高かった一方,尿浸透圧はネコの方が2 倍程度高かった。尿沈渣をSDS-PAGEにより電気泳動したところ,ネコではTHP様蛋白質の存在が明確に確認されたのに対して,イヌでは検出されなかった。尿中窒素化合物の排泄に関してネコとイヌの間に大差はなかった。