著者
五十嵐 悠 高田 知永子 茅沼 秀樹 金子 政弘 入来 常徳 菅沼 常徳 朝見 恭裕 舟場 正幸
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.10, no.Supplement, pp.9-10, 2007-07-11 (Released:2012-09-24)
参考文献数
3

Mg,CaおよびP含量の高いドライフードを成雄ネコに給与した時の尿路結石の形成を調べた。6ヶ月間,上記フードを給与しても尿路結石は認められなかった。その後,ミネラル含量ならびにbase excess値が低いドライフードを給与すると尿沈渣量ならびにストルバイト結晶数が顕著に減少した。したがって,フードのミネラル含量は尿沈渣量やストルバイト結晶の形成には影響を及ぼすものの,尿路結石形成の十分条件ではないと判断された。
著者
杉山 大樹 圓尾 拓也 信田 卓男 石川 剛司 金久保 佳代 斑目 広郎 茅沼 秀樹 菅沼 常徳
出版者
一般社団法人日本獣医がん学会
雑誌
日本獣医がん学会雑誌 (ISSN:18843344)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.8-13, 2010 (Released:2010-02-26)
参考文献数
16
被引用文献数
1 2

肺指症候群と考えられた猫5例の臨床所見について検討を行った。肺原発巣に伴う呼吸器徴候は5例中1例のみで見られ、ほかの4例では呼吸器症状は全くみられなかった。播種転移部位は、主に、指、体表部筋肉、皮膚であった。5例の中央生存期間は60日(12~125)であり、呼吸器徴候を伴い死亡したものは1例のみであった。これらの臨床所見から、本病態における治療として、肺葉切除は意義が低いことが示唆された。また、転移病変は全身に存在することから、断指をはじめとする外科的治療は残存する指や肢の負重増加により動物の生活の質をさらに低下させる可能性が示唆された。
著者
木村 浩和 菅沼 常徳 小方 宗次 和久井 信 鹿野 胖 浅利 昌男
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.123-127, 1994-02-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

日本猫51例の単純X線フィルムについて, 椎骨数ならびに頸椎・胸部構造・腎陰影の3部位などを計測して基準値の設定を試みた. 脊柱管の高さと後頭骨~C1幅の比は1: 0.61, 脊柱管の高さとC1~C2最小距離の比は1: 0.19であった. 気管・胸大動脈・後大静脈の太さはほぼ等しく, 肺静脈・肺動脈の太さは第8~ 第10肋骨の最も細い部位にほぼ等しかった. 日本猫は米国産雑種猫に比べ胸郭の深いことが特徴的であった. 腹部VD像における第2腰椎縦軸と左右腎陰影長径との比はそれぞれ1: 2.38および1: 2.49で, 第2腰椎横径と左右腎短径との比はそれぞれ1: 3.03および1: 3.05であった化側面像では, 第2腰椎長径と左右腎の長径との比は1: 2.39, 第2腰椎短径と左右腎短径との比はそれぞれ1: 5.20および1: 5.25であった.
著者
信田 卓男 圓尾 拓也 岩崎 孝子 川村 裕子 武田 晴央 斑目 広郎 茅沼 秀樹 菅沼 常徳
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.57-60, 2009-01-20
参考文献数
22
被引用文献数
1

犬の皮膚肥満細胞腫58例に対して,プレドニゾロンを1日1回投与して1~4週間後に腫瘍の縮小効果を判定した. プレドニゾロン投与量の中央値は21.5mg/m<sup>2</sup>であった. プレドニゾロンによる肥満細胞腫の縮小は35例で認められ,反応率は60.4%であった. また,完全寛解(CR),部分寛解(PR)が得られるまでの期間の中央値はそれぞれ14日,10.5日であった. 反応群35例(CR7例,PR28例)と非反応群23例(無変化(SD)18例,増大(PD) 5例)では初回の腫瘍体積に有意差が認められ(p<0.001),反応群の体積中央値は2.69cm<sup>3</sup>,非反応群は18.85cm<sup>3</sup>であった. プレドニゾロンは犬の皮膚肥満細胞腫の治療に重要であることが再確認され,腫瘍体積の小さいものほど有効であることが明らかとなった.
著者
信田 卓男 福岡 里江子 圓尾 拓也 伊藤 哲郎 川村 裕子 武田 晴央 杉山 大樹 石川 剛司 山田 徹 斑目 広郎 茅沼 秀樹 菅沼 常徳
出版者
一般社団法人日本獣医がん学会
雑誌
日本獣医がん学会雑誌 (ISSN:18843344)
巻号頁・発行日
vol.1, no.4, pp.58-63, 2010 (Released:2010-12-15)
参考文献数
25

犬のリンパ腫107例に対して、L-アスパラギナーゼとプレドニゾロンにより初期導入を行い、その反応を分析した。評価可能であった104例のうち、寛解率は92.3%(完全寛解27.9%、部分寛解64.4%)であった。皮膚型リンパ腫より多中心型リンパ腫の方が、有意に寛解率が高かったものの(p=0.045)、ステージ、サブステージ、ステロイド投与歴による差は認められなかった。臨床的に有意なアナフィラキシー反応や膵炎は認められなかった。以上のことから、L-アスパラギナーゼとプレドニゾロンによるダウンステージを目的とした導入は、有効であると考えられた。
著者
菅沼 常徳
出版者
日本獣医循環器学会
雑誌
動物の循環器 (ISSN:09106537)
巻号頁・発行日
vol.17, no.17, pp.41-52, 1984 (Released:2009-09-17)
参考文献数
29
著者
佐藤 敏彦 信田 卓男 圓尾 拓也 川村 裕子 山田 徹 伊藤 哲郎 武田 晴央 杉山 大樹 石川 剛司 斑目 広郎 茅沼 秀樹 菅沼 常徳
出版者
日本獣医がん学会
雑誌
日本獣医がん学会雑誌 (ISSN:18843344)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.20-24, 2012-12-19 (Released:2012-12-19)
参考文献数
17

人の肺癌では、腫瘍随伴症候群として好中球増加症や単球増加症を伴う白血球増加症が報告されている。しかしながら、犬では腫瘍随伴性白血球増加症の報告は少ない。今回、初診時の血液検査にて好中球を主体とした白血球増加症を示した犬に対し、種々の検査を行った結果、巨大肺腫瘤を認め、肺腫瘤の摘出術を行った。術後の病理組織学的検査にて肺腺癌と診断されたが、腫瘍の摘出とともに劇的な好中球数の回復がみられ、肺癌による腫瘍随伴性白血球増加症と診断した。