著者
宮原 葉子 北原 詩子 金子 美帆子 三成 由美 徳井 教孝 印南 敏
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.86, 2010

【目的】管理栄養士が特定健診・特定保健指導で栄養指導をする際には、個々人に対応した献立や調理品を提案し、行動変容につながる継続可能な指導をしなければならない。本研究では、長期食生活調査における食物繊維と食塩に寄与する調理品について検討した。<BR>【方法】1999年~2000年の夏季、冬季の各2週間、福岡県志免町在住の一般主婦28名を対象にした。調査内容は、食事評量記録法を用い、食事区分、献立名、食品名、可食量が記録されたものである。食事記録票の調理品は、三成らが開発した6桁の調理品コードを用いて入力し解析した。食品の栄養価計算はエクセル栄養君Ver.4.5を用いた。<BR>【結果】夏季、冬季の食事記録日数は総計784日、調理品出現回数は11,646回、全調理品数は1,110品であった。食物繊維摂取に寄与する上位2品は2季節ともに1位が味噌汁で夏季8.4%、冬季8.8%、2位が飯で夏季4.2%、冬季4.0%であった。寄与率50%の夏季28品、冬季30品中共通のものは、味噌汁、飯など13品であった。夏季のみ、そうめん、冷やし中華などであり、冬季はみかん、鍋物であった。食塩摂取に寄与する上位1品は2季節ともに1位が味噌汁で夏季8.1%、冬季は8.4%であった。寄与率50%の夏季32品、冬季36品中共通のものは、味噌汁、梅干しなど15品であった。夏季のみ、冷やし中華、冷奴などであり、冬季は漬け物、鍋物であった。<BR>【考察】食物繊維の寄与率の高い調理品は味噌汁、飯などであり、食塩の寄与率の高い調理品も味噌汁であった。飯を美味しく食べることのできる献立の提案、また味噌汁を減塩し、食物繊維を増やす方法の提案が今後の課題であると考えられた。