著者
森島 繁 村松 郁延 鈴木 史子 西宗 敦史
出版者
福井大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

G蛋白共役型受容体はダイマーで機能していると信じられている。我々は、α1A受容体と相互作用するSnapinを発現させた細胞を用いて、研究を行った。Snapinはα1A受容体と結合するが、Snapin自身も2量体を作る。我々はSnapinの2量体形成に伴い、α1A受容体も2量体を形成していることを示唆するデータを得たが、Hill係数の解析から、驚くべきことに、従来の受容体とは異なり、2量体の受容体にたいして1つのアゴニストが結合することが明らかになった。
著者
森島 繁 村松 郁延 鈴木 史子 西宗 敦史
出版者
福井大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2008

本年度は受容体の活性化後に見られる3分子からなるトランスポートソームの形成の分子機構を、Snapinの変異体を用いて明らかにしてきました。私たちは、α_1受容体と結合したSnapinとTRPCチャネルと結合したSnapinが1:1に小胞体膜上で結合することにより、このSnapinを2分子含んだ4量体トランスポートソームが形成されるという仮説をたてました。この仮説は、昨年度の実験で相当確からしさを増してきましたが、本年も以下の実験にて下記の結果を得ました。この結果は現在論文にまとめ、投稿を準備しています(すべての結果を記載することは出来ません)。1. 変異体Snapinを用いたSnapin-Snapin複合体(ダイマー)が形成される。今年度は、Snapinの変異体を用いて、昨年度と同様にSDS-PAGEによるダイマー形成の有無、bimolecular fluorescence complementation analysis (BiFC)法を用いて、Snapin-Snapin複合体ダイマーが形成されるかどうかを明らかにしてきました。Snapin-Snapin複合体に関与するドメインについては、膜内に入っている領域である戸考えられているN末であることが明らかになり、これはSnappingが小胞体膜上で会合するのに大変都合の良い構造であることが明らかになりました。2. α_1受容体との結合に関与するSnapin蛋白のドメインの同定、ならびに、TRPCとの結合に関与するSnapin蛋白のドメインの同定上記と同様の手法を用いて、Snapinと受容体、Snapinとイオンチャネルとの結合に必要なドメインも明らかにしました。また、変異体を作成し、Snapinとこれらのタンパクが結合出来ないと、ROCが起こりにくい事などを、Fura-2を用いたRatiometryなどによって明らかにしました。