著者
小平 優衣 鈴木 啓史 三原 鉄也 永森 光晴 杉本 重雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.8, pp.1-8, 2014-01-18

現在ディジタル環境でマンガを探すには,web 上の情報を参照するのが一般的である.タイトルや著者名などの書誌情報が利用される場合が多いが,マンガの内容や主題,キャラクタ等に関する情報も検索に利用されている.内容に即した検索を行うためには,マンガに関する情報を,マンガの何について説明している情報かを記述したデータとして利用できるようにする必要がある.また,これらの情報は一般的な語彙としてまとめられていないため利用することは難しく,情報共有を促進するためにはマンガの概念をディジタル上で機械が扱いやすくできるように形式化する必要がある.異なるマンガリソース間同士の参照や再利用,効率の良いリソースの生成を可能にするため,共通基盤となるマンガに関する情報を体系化し扱うことを可能にするオントロジーの構築を行った.構築のために Wikipedia のマンガに関するカテゴリ名を語彙として利用し,語彙同士の関係性を定義してオントロジーを構築し,マンガリソース同士を結びつけることで LOD として利用することを可能にした.構築したオントロジーは語彙の追加などの拡張が可能であり,マンガのあらゆる情報に繋げることが可能である.It is common for us to use information resources on the Web to find Manga in various genres. Bibliographic information such as author name and title are commonly used to find the resources. Other information such as subjects of the stories and leading characters and their genres, is obviously useful but not well organized in the current Web environment as commonly accepted vocabularies to present the contents of Manga. It is difficult to find a Web resource which provides a common vocabulary about Manga. In order to facilitate information sharing and to organize the information resources of Manga, we need a set of terms formally organized to represent fundamental concepts and instances of and about Manga. In this paper, we propose an ontology designed as a formal basis to organize information resources about Manga and to present instances representing concepts and entities included in or associated with a Manga. We build the ontology, which is named Manga Ontology, using the categories included in Wikipedia on the basic framework designed based on the Cinema Ontology[10]. Every instance included in the Manga Ontology is modelled based on the Resource Description Framework (RDF) in order to make the Manga metadata resources built on the ontology as a Linked Open Data (LOD) resource.
著者
田口 裕美 鈴木 啓史 黒田 克利
出版者
The Kansai Plant Protection Society
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.53-59, 2012 (Released:2012-09-01)
参考文献数
11
被引用文献数
2 1

イチゴ炭疽病に登録されている12種類の殺菌剤をイチゴ苗に散布した後菌接種し,その防除効果から有効な殺菌剤を選抜した。2010年,2011年のイチゴ苗接種試験の殺菌剤散布7日後菌接種で,マンゼブ,プロピネブ,キャプタンの防除効果が高かった。さらに,2010年はアゾキシストロビンと有機銅が,2011年はフルジオキソニルの防除効果が高かった。一方,殺菌剤散布10日後菌接種で効果の高い殺菌剤はフルジオキソニルのみであった。 圃場試験の結果,マンゼブ,プロピネブ,キャプタン,有機銅の7日間隔の防除体系が,最も効果が高く,さらに27日後の枯死株率も7日間隔が最も低かった。 以上の結果から,イチゴ炭疽病に対する防除体系は,マンゼブ,プロピネブ,キャプタンを中心に7日間隔でローテーションを組み,有機銅,フルジオキソニルを臨機防除とすることが有効と考えられた。
著者
鈴木 啓史 黒田 克利 貴田 健一 松澤 章彦 高垣 真喜一
出版者
日本植物病理學會
巻号頁・発行日
vol.77, pp.1-6, 2011 (Released:2012-12-03)

2002~2006年の5年間に、三重県内のトマト・ナス生産ハウスより977菌株の灰色かび病菌を分離し、アニリノピリミジン系殺菌剤であるメパニピリムに対する感受性を検討した。FGAペーパーディスク法では、974菌株のMIC値が3ppm以下であったが、2005年に1ヶ所から分離した3菌株(M0517、M0518、M0520菌株)のMIC値は3ppmより高かった。これらの菌株について接種試験を行ったところ、100ppmでも防除効果の低下が認められ、その程度がヨーロッパで分離された耐性菌と同様であったことから、メパニピリム耐性菌であることが確認された。アニリノピリミジン系薬剤耐性菌は、ヨーロッパの灰色かび病菌で報告されているが、日本では初報告となる。メパニピリム耐性菌を接種した防除効果試験において、メパニピリム水和剤散布は高い防除効果を示したが、無処理区に比べ耐性菌密度が高まる傾向であった。
著者
川上 拓 鈴木 啓史 中嶋 香織 礒﨑 真英 黒田 克利
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.15-22, 2019-05-31 (Released:2019-09-01)
参考文献数
19
被引用文献数
1

耐性菌の発生動向を把握し,それに応じた効果的な防除を行うことを目的に,県内トマト栽培圃場において,2015年作~2017年作にかけて灰色かび病菌を採取した。得られた菌株の主要殺菌剤に対する感受性を培地検定法および生物検定法により評価し,耐性菌の発生動向を調査した。また,当該殺菌剤の散布と耐性菌発生との関係性について解析した。調査圃場のうち,ほぼ全ての圃場で耐性菌発生リスクの高いQoI剤,SDHI剤耐性菌を確認した。これら耐性菌については,当該殺菌剤の散布がある場合,散布がない場合と比較し発生が多い傾向にあった。一方,耐性リスク中程度の殺菌剤であるメパニピリム剤,リスク低~中程度の殺菌剤である,フルジオキソニル剤については,散布回数が多かったにもかかわらず,調査期間を通じて耐性菌が確認されなかった。これら主要殺菌耐性菌の発生動向は,FRACの定義する耐性菌発生リスクと概ね一致する結果であった。また,本調査において,耐性菌の発生が全体的に少なかった圃場では,TPN剤のような保護殺菌剤の使用およびローテーション散布が徹底されており,これら保護殺菌剤を含めた効果的な防除が重要であることが示唆された。以上より,感受性モニタリングは,FRACの耐性菌発生リスクに基づき,耐性菌対策の実践効果の検証のために,必要な殺菌剤や圃場に限って実施することが現実的であると考えられた。
著者
小平 優衣 鈴木 啓史 三原 鉄也 永森 光晴 杉本 重雄
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2014-CH-101, no.8, pp.1-8, 2014-01-18

現在ディジタル環境でマンガを探すには,web 上の情報を参照するのが一般的である.タイトルや著者名などの書誌情報が利用される場合が多いが,マンガの内容や主題,キャラクタ等に関する情報も検索に利用されている.内容に即した検索を行うためには,マンガに関する情報を,マンガの何について説明している情報かを記述したデータとして利用できるようにする必要がある.また,これらの情報は一般的な語彙としてまとめられていないため利用することは難しく,情報共有を促進するためにはマンガの概念をディジタル上で機械が扱いやすくできるように形式化する必要がある.異なるマンガリソース間同士の参照や再利用,効率の良いリソースの生成を可能にするため,共通基盤となるマンガに関する情報を体系化し扱うことを可能にするオントロジーの構築を行った.構築のために Wikipedia のマンガに関するカテゴリ名を語彙として利用し,語彙同士の関係性を定義してオントロジーを構築し,マンガリソース同士を結びつけることで LOD として利用することを可能にした.構築したオントロジーは語彙の追加などの拡張が可能であり,マンガのあらゆる情報に繋げることが可能である.