著者
児嶋 剛 庄司 和彦 池上 聰 鈴木 慎二 岸本 曜 高橋 淳人
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.98, no.12, pp.969-972, 2005-12-01 (Released:2011-10-07)
参考文献数
11

Most malignant thyroid nodules are surgically treated. This report reviews changes in size of malignant thyroid nodules; none of them received any medical and surgical treatment. Three hundred and three nodules were diagnosed as malignant using fine needle aspiration biopsy (FNAB) and ultrasonography from 1997 to 2003. In 17 patients (19 nodules), they were observed for more than 6 months. We examined the transition of their major axis by ultrasonography. Large nodules (>10mm) and nodules in younger patients (age<50) tend to increase in size. As compared with benign nodules, malignant nodules tend to increase in large nodules (>10mm).
著者
五十嵐 充 金地 明星 鈴木 慎二
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.90, no.9, pp.1053-1058, 1997-09-01 (Released:2011-11-04)
参考文献数
5
被引用文献数
2 2

We treated a 51-year-old female with von Recklinghausen's disease with a large neurinoma of the cervical vagus nerve.Her chief complaint was swelling of the right side of the neck. There were numerous cafe au lait spots and neurofibromas all over the body. CT and MRI imaging revealed a tumor that was so large that the common carotid artery was pushed aside towards the midline and the internal jugular vein could not be detected. Based on the diagnosis of a neurinoma or a neurofibroma of the cervical vagus nerve. Surgery was performed under general anesthesia. The tumor was found to originate from the vagus nerve. The tumor was resected together with the vagus nerve. The histopathological report was of a benign neurinoma. No adverse symptoms were observed postoperatively, except for hoarseness of the voice.There have only been 3 cases of neurofibromas, and 1 case of a neurinoma originating from the cervical vagus nerve in Von Recklinghausen's disease reported in Japan. We also discuss the pathological differences between a neurinoma and a neurofibroma.
著者
鈴木 慎二郎 三上 昇
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.372-380, 1982-02-28

2番草の刈取時期(晩秋草の備蓄開始時期)とその前後における窒素施肥との組合せが,晩秋草の草量と草質に与える影響について検討した。ポット植えしたオーチャードグラスの2番草を,8月10日,8月20日,8月30日および9月9日に刈取り,それぞれの刈取10日前あるいは10日後に,12kgN/10a相当の硫安を施した。各ポットはガラス室(高温区)あるいは網室(常温区)で生育させ,10月28日に刈取調査した。1.刈取10日前の施肥では,晩秋草の草量は平均的には少なかったが,刈取時期が遅くなることによる低下がみられなかった。一方,刈取後の施肥では,刈取時期が早いものの草量は多いが,刈取時期が遅くなることによる低下が著しかった。そのため,8月30日や9月9日からの備蓄では,刈取前施肥の方が草量が多くなるのがみられた。なお,草量は高温区において多かった。2.DCPとTDNの含量,およびin vitroの乾物と細胞壁構成物質の消化率は,刈取時期の遅いものほど高かった。しかし,栄養比は刈取時期の遅いものほど狭くなった。栄養価や消化率は高温区においてわずかに低かった。2番草の刈取前に施肥された牧草では,DCP含量が低いにもかかわらず,TDN含量や消化率は高く維持されるという特異な現象がみられた。すなわち,刈取前の窒素追肥によって,栄養比の巾の広い,低蛋白・高エネルギー型の晩秋草が得られることが分かった。晩秋草の草量と草質は,備蓄開始時期そのものよりも,それとの組合せによる施肥時期の影響を強く受けており,気温が低下してからの備蓄には,2番草の利用前追肥が有効な手段となる可能性のあることが示唆された。
著者
鈴木 慎二郎 高野 信雄 山下 良弘
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.103-113, 1972-07-25

1)8回の輪換の平均草量は重,中,軽放牧それぞれ631,970,1251kg/10aで,利用率は72.9,56.8,46.6%であった。成分的には重放牧の草が栄養価高く,また放牧後の草はDCPで2.6〜4.2%,TDNで2.7〜3.8%低下した。草の栄養価は夏に低下し,この時期に育成牛の発育も停滞した。草種についてはオーチャードグラスの割合は軽放牧で高く維持され,重放牧ではペレニアルライグラスが増加した。2)期間中における育成牛の平均日増体は重,中,軽放牧それぞれ,434,653,617g,採食量は乾物で体重の1.94,2.02,2.48%であったが,これは季節がすすむに従い低下した。3)重放牧と中放牧では採食時間が長くなったが,採食量と発育からみて,重放牧の場合は草量不足を補うには不十分であった。一方,草量が一定限度以下になると採食時間は再び短くなり,また草量が1番少ない滞牧最終日においても採食時間は短くなった。放牧強度の影響は反芻に強くあらわれ,重放牧の反芻時間は軽放牧の半分程度であった。行動の季節的変化も大きく,夏,秋では採食時間が増え,反芻時間が激減した。また季節が同じであれば放牧強度が異なっても似たような行動パターンがみられた。採食時間には1日に3回のピークがみられたが,毎回の移牧時刻である9時以降の採食が盛んであった。1日18mm程度の降雨では横臥の割合が著るしく減ったが,行動の基本形には影響なかった。4)体重は朝から夕方まで増加するが,その最大値はいずれも滞牧1日目にあらわれ,その後最終日まで減少する。従って期間中の増体重は1日毎ではなく,輪換毎の増体重の積算として示された。体重の時刻変化からは,滞牧1日目における採食量が2日目以降にくらべて著るしく多いこと,また採食のピークは量的にみると9時〜12時の間の1回だけであると言える。以上の行動と体重変化の結果から,牛は輪換の周期だけではなく,移牧の時刻も学習したのではないかと考えられた。5)期間中の増体重と反芻時間との間には正の相関がみられたが,採食時間とはむしろ負の相関であった。また飲水回数は採食時間との間には正,増体重との間には負の相関を有した。
著者
鈴木 慎二郎 沢村 浩
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.324-331, 1981-10-30

輪換放牧における牛の行動の日周性を,移牧との関係において明らかにする目的で,体重の日内変動の面から検討した。試験1では10時と13時に,試験2では10時と16時に,試験牛(200〜240kg)を次の牧区へ移牧し,移牧当日とその翌日にわたって,3時間ごとに体重を測定した。試験1では行動調査もあわせて行なった。1.牛は,移牧直後の3時間において,10kg以上の急激な体重の増加を示しており,この間に大量の採食をしていることが推測された。行動調査の結果もあわせてみると,なかでも牛が採食に集中しているのは,移牧後2時間までであった。牛の体重は,その後も若干ずつ増加するが,日没後からは減少に転じ,19時から翌日4時までに8〜10kg低下した。夜間にも,ある程度の採食行動がみられたが,体重の変動からみれば,量的にはわずかな採食にすぎないものと思われた。ただし,16時移牧の牛では,日没後にも体重が増加しており,牛は採食量が不十分だと,採食行動を夜間にまで延長することが認められた。2.10時と13時の移牧では,行動形のうえからは,移牧直後のほかに,日没前にも採食行動のピークがみられた。しかし,体重増加の点では,両者には大きな差があり,日没前のピークでは,移牧直後のピークにくらべると,牛の採食量はかなり少ないものと思われた。3.移牧翌日の体重は前日のように大きく増加することはなく,前日の最高体重に達することも殆んどなかった。すなわち移牧の翌日における採食行動は,移牧当日にくらべると不活発であり,採食量も少ないものと考えられた。以上のように,輪換放牧における牛の行動は,移牧の影響を強く受けており,移牧当日においては,採食・休息反すうの繰返えしという定形的なパターンとはならなかった。また,移牧当日とその翌日とでは,行動の日周性は大きく異なった。