著者
鈴木 智康 小野 孝也 髙橋 賢 野田 和彦
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.112-115, 2019-05-10 (Released:2019-10-25)
参考文献数
7
被引用文献数
5 4

物理現象としての結露時におけるACM(Atmospheric Corrosion Monitor)センサの出力挙動と腐食量の関係を明らかにするため種々の試験を行った.結露時のセンサ出力は降雨でのぬれや付着塩の吸水と比較して挙動が異なるため,切り分けて評価する必要があることがわかった.いずれの現象においても,その場測定(in situ)によって得られた出力と腐食量には相関が認められたので,ACMセンサ出力から短時間での腐食速度の推定が可能と考えられる.
著者
鈴木 智康 小野 孝也 髙橋 賢 野田 和彦
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.68, no.8, pp.201-204, 2019-08-10 (Released:2020-01-24)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

淡水中における金属の腐食性モニタリングの検討を目的とし,種々の水溶液中にACMセンサ(Atmospheric Corrosion Monitor Sensor)を浸漬してその出力電流測定を行った.その結果,水温の変化や微量の水処理剤添加に対する瞬間的な応答を確認したことで,ACMセンサがごく短時間で腐食性の変化を出力として捉えられることがわかった.4種の淡水に対しては異なる出力を示し,RCMセンサ(Resistmetric Corrosion Monitor)での腐食量測定値との相関が高いこともわかった.従って,ACMセンサによって淡水系での腐食性モニタリングの可能性が得られた.
著者
小野 孝也 鈴木 智康
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.42-45, 2019-02-10 (Released:2019-07-26)
参考文献数
17

ぬれ環境下における腐食速度検討のため,各種濃度のNaCl水溶液中にFe/Ag対ACM(Atmospheric Corrosion Monitoring)センサを浸漬して出力電流測定およびFe-Ag間電位差測定を行った.また,RCM(Resistmetry Corrosion Monitor)センサによって実腐食量を求め,ACMセンサの出力と比較した.その結果,実腐食量とACMセンサ出力には明らかな相関が認められ,ACMセンサの出力電流に比べてFe-Ag間電位差の方が優れていることがわかった.従って,雨が直接かからない環境下では従来の出力電流値を用い,ぬれ環境下ではFe-Ag間電位差を用いることで精度の高い腐食速度推定が可能と考えられる.また,この方法はACMセンサの長寿命化にも寄与できると考えられる.
著者
鈴木 智康 小野 孝也
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.66, no.11, pp.348-351, 2017-11-15 (Released:2018-06-06)
参考文献数
7
被引用文献数
1

種々の基板から構成されるACMセンサの挙動を,水溶液中や塩類を塗布しての湿度サイクル試験によって評価した.その結果,ACMセンサは溶液環境においても計測が可能で,NaCl水溶液を用いた試験から,濃度に対して相関が認められた.また,基板を構成するアノードの違いによる出力差が認められた.一方,大気腐食環境模擬試験ではほかの基板もおおむねFe/Ag対センサと同様の挙動になることがわかった.しかし,Alやステンレス鋼では相対湿度と相関がない鋼材固有と思われる出力が現れることがあった.すなわち,ACMセンサによって材料の腐食性を直接評価できる可能性が示唆された.