著者
金井 紀仁 鈴木 義人
出版者
日本アプライド・セラピューティクス(実践薬物治療)学会
雑誌
アプライド・セラピューティクス (ISSN:18844278)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.26-46, 2018 (Released:2018-12-25)
参考文献数
32

【背景】適正で費用対効果に優れた薬剤を継続的に定め、薬剤の選択を管理するために フォーミュラリが用いられる。高尿酸血症の患者を対象に、尿酸生成抑制薬に関する系 統的な論文調査をすることで、フォーミュラリを構築することを目的とした。 【方法】フォーミュラリ構築の手順は以下の通りに行った。1)アロプリノールとフェ ブキソスタットを直接比較した2017 年5 月までの臨床論文を系統的に抽出した。2) 以下の評価項目に関して質的に評価した: 臓器障害の予防、痛風関節炎の予防、尿酸値 低下作用、尿酸値6.0mg/dL 未満への達成率、副作用。3)同等量、薬剤費を評価し、 医薬品の使用の優先順位を付けた。 【結果】7 報の論文が選択された。有効性においては、臓器障害予防と痛風関節炎の予 防効果は同程度であった。アロプリノール1 日200/300 mg とフェブキソスタット1 日 40 mg においては尿酸値低下作用と尿酸値6.0 mg/dL 未満の達成率は同程度であった。 尿酸値6.0 mg/dL 未満の達成率に関しては、フェブキソスタット1 日80 mg 以上の投与 はアロプリノール1 日200/300 mg やフェブキソスタット1 日40 mg の投与よりも有意 な結果を示した。両薬剤間において重大な副作用に違いは見られなかった。アロプリノー ルにより目標尿酸値まで低下できた患者においてはフェブキソスタットから開始するよ りも薬剤費を抑制できることが示唆された。 【結論】高尿酸血症患者への尿酸生成抑制薬のフォーミュラリはアロプリノールを第一 に選択し、尿酸値が目標まで到達しない場合や忍容性がない場合にフェブキソスタット を選択することとした。
著者
鈴木 義人
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.153-158, 2014-03-01 (Released:2015-03-01)
参考文献数
19

植物食昆虫が植物に形成するゴールは,色や形の多様性が高く,「どのようにして形成しているのだろう?」と見ているだけで興味をひく.この形成機構にはまだまだ不明な点が多いが,昆虫が生合成する植物ホルモンが関与している可能性が少しずつ明らかになってきた.本稿では,ゴール形成と植物ホルモンについての現在の知見とともに,残された課題について紹介する.また,「見ているだけで興味をひくゴール」の真の形成機構の理解とはどういうものなのかについても,私見を述べたい.
著者
朴美姫 鈴木 義人 蝶野 真喜子 山口 五十麿
出版者
植物化学調節学会
雑誌
植物化学調節学会研究発表記録集 (ISSN:09191887)
巻号頁・発行日
no.36, pp.43-44, 2001-10-09

Gibberellin responsive gene 092 was isolated from cucumber hypocotyls by means increased in hypocotyls of cucumber by GA treatment. The sequence data suggested that the clone encoded an arabinogalactan-protein. The ful1-length cDNA of 092 was introduced into tobacco plants under the control of 35S promoter The AGP was extracted and purified from the transgenic tobacco by reversed-phase-high performance liquid chromatography (RP-HPLC) and gel filtration chromatography (GFC) and analyzed Using β-glucosyl Yariv reagent which binds selectively with AGPs. The transgenic plants gave aβ-Yariv-reactive peak in addition to those present in wild type plants. β-Yariv regent inhibited hypocotyl elongation promoted by GA and IAA treannent in intact cucumber seedling and hypocotyl segments of azuki bean. Together with results using anti-AGP antibodies, the product of 092 was suggested to be an AGP. The transgenic tobacco plants showed earlier flowering than wide ty'pe plants.