著者
鈴森 薫
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp."N-395"-"N-405", 2001-11-01
参考文献数
5
被引用文献数
1
著者
加藤 茂孝 棚林 清 鈴森 薫 川名 尚 竹内 薫
出版者
国立予防衛生研究所
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1989

1.風疹ウイルスゲノムの増幅検出風疹ウイルスゲノムの増幅検出については、最終的に、(1)ウイルスRNAをグアニジン・フェノ-ル・クロロフォルムで抽出する。(2)RNAの逆転写後の相補的DNAのPCRによる増幅は2段階で行う(mested PCR)、(3)増幅DNAの検出は、アガロ-スゲル電気泳動後のDNA断片のエチジウムブロマイド染色による、事とした。2.妊娠中の風疹遺伝子診断妊娠中に発疹が出現し、風疹IgM抗体が検出された10症例について、抗体上昇以前の母血清6例、胎盤絨毛10例、治療中絶された胎児の組織5例について、ウイルス遺伝子の検出を試みた。陽性例は、血清2例、絨毛9例、胎児5例であった。胎児陽性例は全て絨毛陽性であったので、絨毛での陽性結果は、即、胎児陽性と診断して差しつかえないものと考えられた。3.風疹感染胎児におけるウイルス増殖部位臓器別に遺伝子検出を行なった胎児の症例について、ウイルス遺伝子陽性は、胎盤、腎、肝、脳、〓帯の各臓器であり、胎児感染は全身感染であると思われた。陰性の臓器は、脾、心、肺、眼、胸腺であった。この時、胎児血の風疹IgM抗体は陽性であったので、〓帯血IgM抗体陽性とウイルス遺伝子陽性、即ち、胎児でのウイルス増殖とが相関していることが確認された。4.先天性風疹症候群患児からのウイルス遺伝子の検出出生した患児の髄液、リンパ球、血清、咽頭ぬぐい液、尿、白内障手術の為摘出したレンズからも遺伝子が検出され、胎内持続感染であると思われた。