著者
瀬藤 乃理子 岡崎 伸 鍋谷 まこと 藤井 美和 山田 美智子 多田羅 竜平
出版者
甲南女子大学
雑誌
甲南女子大学研究紀要. 看護学・リハビリテーション学編 = Studies in nursing and rehabilitation (ISSN:18825788)
巻号頁・発行日
no.5, pp.187-192, 2011-03-18

2010年2月に世界初の子どものホスピスであるイギリスのヘレンハウス(現ヘレン&ダグラスハウス)を訪問した。そこでは、成人まで生きることが難しいと予測されるLTC(Life-threatening conditions)の子どもたちとその家族に対し、看護師による1対1の手厚いケアと、多領域の専門職やボランティアによる多くの楽しいプログラムが提供されていた。イギリスの子どものホスピスの機能は終末期だけでなく、家族の休息の提供(レスパイト)、緊急ステイ、病状管理、24時間の電話相談などが、子どもに死が訪れるまで、長期間にわたって継続されていた。また、死別後の家族に対するサポートプログラムも充実していた。ここでは、視察で得たイギリスの子どものホスピスの実情と、その理念や運営について紹介する。