著者
鎌田 哲彰 岡田 恭司 若狭 正彦 斉藤 明 木元 稔
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.811-814, 2016 (Released:2016-12-22)
参考文献数
15
被引用文献数
1

〔目的〕短時間の静的ストレッチング(以下,SS)が大腿直筋の柔軟性と筋力に及ぼす効果について検討すること.〔対象と方法〕運動習慣が週2日以内の健常若年者30名の右下肢を対象とした.伸張時間を2,4,6,8,10,30秒でSSを行い,それぞれの前後で,踵殿距離,大腿直筋のエラストグラフィによる歪み比と等尺性膝伸展筋力を算出した.〔結果〕踵殿距離は2秒~30秒すべてのSS後に,大腿直筋の歪み比は8秒以上のSS後に有意な低下が見られた.筋力は8秒間まではSS後の変化がなく,10秒以上で有意な低下が見られた.〔結語〕8秒間のSSでは,大腿直筋の筋力が維持され,柔軟性が向上するのに対し,10秒以降では柔軟性が向上し,筋力は低下することが示唆された.
著者
齊藤 明 岡田 恭司 佐藤 大道 柴田 和幸 鎌田 哲彰
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.46 Suppl. No.1 (第53回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.F-45, 2019 (Released:2019-08-20)

【はじめに・目的】 成長期野球肘内側障害における脊柱アライメントを評価し,本症との関係を明らかにすることである。【方法】 野球肘内側障害患者50名(野球肘群)と健常小学生100名(対照群)を対象に,Spinal Mouseを用いて自然立位およびwind up phaseを模した片脚立位での胸椎後弯角,腰椎前弯角,仙骨傾斜角,脊柱傾斜角を計測し,それぞれの変化量(片脚立位-立位)も算出し2群間で比較した。また脊柱アライメントと肩関節外旋,内旋可動域(90°外転位),および肩甲骨アライメント(脊柱-肩甲棘内側縁,壁-肩峰前縁の距離)との関連を検討した。【倫理的配慮】 秋田大学医学部倫理委員会(承認番号1036)の承認を得てから実施し,対象者および保護者には事前に研究目的や方法について十分に説明し書面にて同意を得た。【結果】 自然立位における脊柱の各角度は2群間で有意差を認めなかった。片脚立位では野球肘群が対照群に比べ有意に胸椎後弯角が大きく(P=0.016),脊柱傾斜角は後方傾斜していた(P=0.046)。またこれらの変化量も同様の結果であった(それぞれP=0.035,0.020)。しかし,脊柱アライメントと肩関節可動域および肩甲骨アライメントとの間には有意な相関関係は認められなかった。【考察】 成長期野球肘内側障害では,片脚立位において胸椎が後弯し,体幹も後方傾斜することが明らかとなった。このことが投球フォームへ影響を与え,本症の発症につながる可能性がある。
著者
多久和 良亮 岡田 恭司 若狭 正彦 齊藤 明 木元 稔 鎌田 哲彰
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.93-96, 2017 (Released:2017-02-28)
参考文献数
18
被引用文献数
1

〔目的〕頭頸部伸展位が片脚着地動作に及ぼす影響を明らかにすること.〔対象と方法〕対象は,健常成人女性31名(平均20.1歳)とした.高さ30 cm台からの片脚着地動作を,頭頸部屈曲伸展中間位と,頭頸部伸展位の2条件で行った.片脚着地時の最大の膝関節屈曲と外反角度,体幹前後屈,側屈角度,および着地位置を測定し,条件間で比較した.〔結果〕頭頸部伸展位での着地では頭頸部屈曲伸展中間位の着地に比べて最大膝関節外反角度が有意に大きかった.最大膝屈曲角度と体幹前後屈,側屈角度,着地位置には有意差はみられなかった.〔結語〕頭頸部伸展位での片脚着地動作は膝関節外反角度を増大させ,非接触型前十字靭帯損傷の一要因となると推察された.