著者
嶺 愛優人 長城 晃一 舛尾 伸広
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.733-740, 2022-12-15 (Released:2022-12-15)
参考文献数
23

【目的】日中の過度な眠気(EDS)により日常生活に制限を呈したパーキンソン病患者(PD患者)に対し,睡眠マネジメントや食事調整など状況に応じた非薬物的介入を探索的に検討した.【症例】60代男性.H&Y重症度分類3度のPD患者で通所リハを利用中にEDSが出現し,日常生活に制限が生じた.【方法】本人と家族に夜間・日中の睡眠マネジメント,食事量の調整を指導し,段階的に運動療法を実施した.【結果】UPDRS Part3は50点から41点.PDSS 2の得点は43点から21点と改善した.【結論】家族の協力を得て生活様式の是正を図り,通所リハで運動療法を実施し,EDSの軽減と日常生活動作が改善した.
著者
木下 亮平 長城 晃一 石附 智奈美 宮口 英樹
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.34-41, 2021-02-15 (Released:2021-02-15)
参考文献数
34

要旨:地域在住高齢者298名を対象に主観的幸福感(Satisfaction with Life Scale;SWLS)と活動の参加状況(Self-completed Occupational Performance Index;SOPI),基本属性(年齢,性別,慢性疾患,婚姻状況,同居者)の関連性を検討した.SWLSへの関連は,SOPI(β=0.415)と年齢(β=0.187)であった(p<0.05).年齢階級別のSWLSとSOPIの関連性は,前期高齢者群(R=0.477),後期高齢者群(R=0.426)に正の関連を認め(p<0.05),超高齢者群に認めなかった(p>0.05).活動の参加状況が主観的幸福感の充足に寄与しており,作業療法の疫学的根拠を拡大する可能性が示唆されたが,超高齢者群には,主観的幸福感促進の活動参加状況に関する調査課題が示された.