著者
宮口 英樹 石附 智奈美 宮口 幸治 西田 征治 安永 正則
出版者
広島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

DSM‐5による発達性協調運動症(DCD)は、生活年齢における日常生活の諸活動を著しく妨害していると表記されるが、日常生活では多岐にわたる認知機能が要求されるため、身体運動を中心とした介入プログラムでは、日常生活活動の遂行能力を実際に改善するかどうか検証はされていない。そこで本研究では、認知機能トレーニングを包含した介入プログラムを独自に開発し、医療少年院入院少年のうちDCDを有する対象者に3ヶ月間10回実施した。効果検証は、日常生活活動の運動とプロセス技能を定量的に観察評価するAMPSを用い、介入前後で有意なスコアの改善が認められた。
著者
宮口 英樹 宮口 幸治 石附 智奈美
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

非行少年の社会復帰プログラムでは、先行研究から認知行動療法やSSTの効果が検証されているが、一方でいくら指導しても深まらない少年たちの存在にも苦慮させられている。その中には、視覚認知、聴覚認知、ワーキングメモリなど様々な認知機能に問題をもっているケースも多く、矯正教育の成果を上げるためには、ある程度の知的機能を保つことが課題となる。本研究は、少年院内だけでなく境界知能者の生活自立活動能力の向上、就労支援を目指した認知トレーニングのシステム作りを目的とし、認知機能向上に加え、社会生活支援にあたっている専門家を対象に聞き取り調査を行い、プログラムを改良・充実することを目指している。
著者
塩田 繁人 三上 直剛 田村 大 村井 千賀 宮口 英樹
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.817-820, 2023-12-15 (Released:2023-12-15)
参考文献数
10

本研究の目的は,生活歴の評価手法の確立に向けた予備的研究として,生活行為向上マネジメント(以下,MTDLP)事例を対象にテキストマイニングを用いて生活歴を分類することである.方法は,MTDLP事例報告登録データベースで公開されている直近100事例を対象に生活歴のテキストデータを抽出し,テキストマイニングを用いて共起ネットワークを作成し,カテゴリーをICFコードに分類した.事例の生活歴は活動と参加7項目および3つのライフイベントに分類された.今後は,ライフステージごとの社会参加に焦点を当てた生活歴の評価手法を作成する予定である.
著者
木下 亮平 長城 晃一 石附 智奈美 宮口 英樹
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.34-41, 2021-02-15 (Released:2021-02-15)
参考文献数
34

要旨:地域在住高齢者298名を対象に主観的幸福感(Satisfaction with Life Scale;SWLS)と活動の参加状況(Self-completed Occupational Performance Index;SOPI),基本属性(年齢,性別,慢性疾患,婚姻状況,同居者)の関連性を検討した.SWLSへの関連は,SOPI(β=0.415)と年齢(β=0.187)であった(p<0.05).年齢階級別のSWLSとSOPIの関連性は,前期高齢者群(R=0.477),後期高齢者群(R=0.426)に正の関連を認め(p<0.05),超高齢者群に認めなかった(p>0.05).活動の参加状況が主観的幸福感の充足に寄与しており,作業療法の疫学的根拠を拡大する可能性が示唆されたが,超高齢者群には,主観的幸福感促進の活動参加状況に関する調査課題が示された.