著者
井澤 尚子 成田 巳代子 長塚 こずえ 斎藤 祥子 橘 喬子 小吹 史子 盛田 真千子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.59, pp.275, 2007

目的 本報はビジネスウェア着用者である男性と、その服装に客観的意見を持つであろう女性の意識に着目し、男女有職者を対象にクールビズ推進を含む職場環境や、夏期における男性のビジネススーツスタイルに対する意識調査を実施した。クールビズ環境下でのビジネススーツスタイルの意義を考え、気候と職場環境に適したビジネスウェアを提案するための資料を得ることを目的とした。方法 1)調査対象者:20~60歳代の男女有職者 1049名(男性 500名,女性 549名)、2)調査時期:2006年7月中旬~10月上旬、3)調査場所:全国11地域、4)調査方法:質問紙留め置き調査、5)調査内容:基本属性(3報と同様),職場などの冷房設定温度,夏期における男性のビジネススーツスタイルに対する意識(23項目)など、6)分析:単純集計,因子分析を用いて考察した。結果 因子分析の結果、男性のビジネススーツスタイルに対する意識について、男性は7因子で構成され、女性では「ビジネススーツスタイルの必要性」,「スーツやシャツの素材」,「ビジネススーツスタイルの擁護」,「ビジネススーツスタイルのカジュアル化」,「シャツの着こなし」,「個性の表現」,「おしゃれ感」,「身だしなみ感」の8因子が抽出された。身だしなみは相手への好印象に繋がり、女性特有の因子と考えられる。さらに男女ともに職場の室温設定28℃が46%,43%、職場でのクールビズの推進は73%,60%と、職場環境に浸透するなか、男女とも男性のビジネススーツスタイルに否定的でないことがわかった。これらから、今後のクールビズにおける衣服環境は、軽装化のみならず涼しく快適に着用できる素材の選定、デザインの提案、着こなしの工夫が不可欠と考えられる。