著者
長山 宗美
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.222-227, 1987-03-31 (Released:2011-07-19)
参考文献数
6
被引用文献数
2 5

現在, 子供達のまわりから多様な遊び場が消えて児童公園だけが残りつつあるが, 公園が遊び場として十分た機能を持つかどうかを探るために, 京都ただすの森 (下鴨神社) とその近隣の一児童公園で利用状況を調べ, 訪れた子供達に聞取調査を行った。その結果, 子供達が遊んでおもしろいと感じる要因は, 遊び相手, 遊具, 自然, オープンスベースの存在であり, 必要とする遊び場は年令, 性別によって多少の違いがあることがわかった。
著者
長山 宗美 吉田 鐵也
出版者
京都大学農学部附属演習林
雑誌
京都大学農学部演習林報告 = BULLETIN OF THE KYOTO UNIVERSITY FORESTS (ISSN:0368511X)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.261-275, 1989-12-13

京都市内の一児童公園 (面積1800m_2) において, 公園の空間配置の変化が利用者の行動にあたえる影響を評価する目的で, 1989年6月に行動追跡調査法を使って子供の利用行動を調査した。当該公園では, 1958年に同様の行動軌跡の採取が行われている。その調査後, 自由広場中央部に花壇が設置された。公園の空間配置の改変によって利用行動がどの様に変化するかを比較した。子供の公園の利用時の行動軌跡のパターンは4つに分類できた。A 遊具中心の軌跡 B 遊具中心, 広場も利用するが円運動的軌跡 C 遊具と広場の軌跡 D 広場の軌跡 年齢が上がると, 遊具施設周辺のみを利用するA型から広場を主に使うD型への移行が可能になる傾向がある。改変後, 遊具中心に広場での活動をともなうB型が早い年齢で出現するようになった。すなわち, 中央花壇の設置という改変は, 低年齢児の中央進出を促進したといえる。改変により, 公園内のもっとも広いオープン・スペースが400m_2から200m_2にまで縮小したため球技など広い面積を要する遊び行動を阻害することが予想されたが, 子供たちは工夫して (花壇を含めるなど) 球技を行っていた。実際の球技に要する面積は, 広場が広い時でも200m_2未満が多かった。また, 改変後の方が空間利用密度のバラツキが小さくなり, 空間がより有効に利用されるようになった。
著者
長山 宗美
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.275-280, 1990-03-30
被引用文献数
2 5

冒険遊び場(羽根木プレイパーク)にて聞き取り調査を行ったところ,他の遊び場(よく遊ぶ場所は公園や家の中)との相違点は自然性と独自の手作り遊具であると感じていること,そこでの遊びで好きなことは,めまい感覚を体験できる手作り遊具での遊びであること,距離が近いほど頻繁に訪れやすいこと,自身の意志で頻繁に訪れる人ほど遊具以外のおもしろさに気がつくようになり,特にその傾向は男子,高学年にあること,が明らかになった。