著者
長瀬 洋之 杉本 直也 小林 このみ
出版者
帝京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

気管支喘息では、白血球の一つである好酸球が関与した気道炎症によって症状が出現する。現在の治療薬の主軸をなす吸入ステロイド薬は優れた抗炎症作用を持つが、いまだにコントロール不十分な重症喘息が2万人以上存在する。気道炎症は免疫系で調節されているが、ストレス等を媒介する自律神経系も免疫系を調節することが示されつつある。我々は、自律神経である副交感神経が分泌するアセチルコリンが直接好酸球を活性化することを見出した。本研究では、神経系によって、好酸球を中心とした炎症がいかに制御されるかを検討し、神経系-免疫系の連関機構を明らかにすることで、自律神経を視野に入れた新たな喘息治療戦略の確立を目指したい。