著者
岩沼 聡一朗 長見 真
雑誌
帝京科学大学教育・教職研究 = Journal of educational research and teacher development, Teikyo University of Science (ISSN:2433944X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.49-60, 2022-03-31

体育授業では,疾病や忘れ物等を理由に,見学という形で授業に出席する場合がある.その際,見学者に対する教育的配慮は,授業者の幅広い裁量に委ねられている.見学者においても,学びの機会や運動・スポーツに関する発達の機会を保障する必要があると考えられる.しかし,体育授業における見学の実態は明らかとなっていない.本研究では,小学校・中学校・高等学校での体育授業における見学状況を把握することを目的とした.大学生に対して各校種での見学経験を振り返ってもらい,web フォームにて回答させた.得られた回答から定量的分析を行い,小学校・中学校・高等学校の体育授業における見学状況の全体像を検討した.その結果,体育授業における見学では,①校種や性,授業内容(領域)に関連して特徴的な傾向が見られること,②見学時の過ごし方が授業者主体で決められること,③見学の理由に個々の体育授業の好き・嫌いや評定が関連すること,が示された.
著者
高橋 正行 長見 真
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.258_1, 2018

<p> 短縄跳び運動は、学習指導要領の体つくり領域に例示されていることから、小学校の体育授業で盛んに取り組まれている運動である。体育を専門としない教員が多い小学校では、短縄跳び運動を指導する際、児童の意欲を高めるために「縄跳びカード」がよく用いられる。使用されているカードには多様な技が掲載されているものの、縄跳びの技を系統的に身に付けるようになっていないと推察される。したがって子供たちは体育の授業で前回し跳びの学習の後、前回し交差跳び、次は二重跳び…など、技の系統に無頓着に取り組みがちで、効果的に技を身に付ける学習になっていないことが考えられる。本研究では、短縄跳びの技の体系を先行研究の成果から整理した上で、小学4年生を対象に、多様な技の中から背面交差跳びを取り上げ、運動類縁性に基づいて指導した実践について報告する。指導後、21名中11名が1回以上背面交差跳びを成功させ、そのうち5名は2~3回連続で跳ぶことができた。運動類縁性に基づいた指導をすることで、背面交差跳びという児童にとってなじみのなかった技でも習得可能であることが示唆された。</p>