著者
金子 真由美 後藤 雅広 三尋木 健史 飛田 昌男 長谷川 峯夫
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成18年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.82, 2006 (Released:2006-09-07)

【目的】マヨネーズを厚焼たまごとハンバーグに添加すると、食感及び食味を改善する効果があることはすでに報告した。本研究では、親子で楽しく作ることができるホットケーキについて、マヨネーズ添加による食感及び食味改良効果を探求することを目的とした。【方法】市販のホットケーキミックス、卵、清水を攪拌し、基本配合のホットケーキ生地を調製した。基本配合に対し、一般的な卵黄型マヨネーズを、清水と置き換えて全量の2.5_から_12.5%まで5段階にて添加した。調製した生地は円形の型を使用し、ホットプレートにて焼成した。焼成した試料は放冷後、体積、破断特性およびテクスチャーを測定した。基本配合及びマヨネーズを2.5、7.5、12.5%添加した4種類のホットケーキを用いて、順位法により官能評価を行い、最適な添加量を求めた。【結果】ホットケーキの体積は、マヨネーズ添加量の増加に従い増加した。破断応力およびテクスチャーの硬さは、マヨネーズ添加量の増加に従い減少した。順位法による官能評価では、マヨネーズを添加した3種類のホットケーキは、基本配合と比べ有意に「ふんわりしている」「サクッとしている」「おいしい」と評価された。「ふんわりしている」「サクッとしている」の項目は、マヨネーズ添加量に依存する傾向が認められた。しかし、「おいしい」については添加量7.5%が最も好ましいと評価された。以上の結果から、マヨネーズ添加により、ホットケーキの食感をより好ましくすることが示された。
著者
木庭 朋子 和田 磨希子 兒嶋 高志 長谷川 峯夫
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成20年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.87, 2008 (Released:2008-08-29)

【目的】 サルモネラ属食中毒は、日本で発生件数が多いもののひとつである。特に鶏卵由来とみられるSalmonella Enteritidis(以下SE)によるものが近年問題となっており、卵を使用した生菓子も原因としてよく挙げられる。一方、ムースなどの使用生地としてイタリアンメレンゲがある。これは、卵白に115~121℃の高温のシロップを加えながら泡立てたものである。高温のシロップを加える作業の目的は大きく2点ある。1点目はつやがあってしっかりした泡にする品位形成、2点目はシロップの熱による殺菌である。2点目の効果により、生食しても安全と考えられてきたが、殺菌効果に対する十分な検証が行われていない状況である。本研究では、イタリアンメレンゲの調製過程におけるSEの挙動を明らかにすることとした。 【方法】 試料は5コートミキサーを用いて、一般的なイタリアンメレンゲの配合(卵白:砂糖=1:2)で調製し、2つの試験により検証した。[A]メレンゲの温度変化測定:シロップ投入後攪拌中の温度をデータコレクタにて測定した。[B]サルモネラ消長試験:未殺菌卵白にSEを104になるように添加し、得たサンプルのSEの挙動を確認した。サンプル採取、温度測定場所はボールの側面、ホイッパーの外側と内側の3箇所とした。 【結果】 [A]場所によるバラつきが大きく、最も高いところで75.5℃、低いところは60.8℃までしか上昇せず、全体が十分に殺菌できる温度条件にならないことが示唆された。[B]25g陰性試験では全サンプルで陽性を示し、サルモネラを陰性にできないことが示唆された。原因として、(1)熱がボールにとられて品温が低下すること(2)熱がメレンゲ全体に均一に広がらず品温がバラつくこと(3)攪拌により放熱することが考えられた。以上より、イタリアンメレンゲを調製、使用する際には、使用原料や調製、保存の条件に十分に留意すべきことが確認できた。
著者
金子 真由美 後藤 雅広 岩田 聖美 三尋木 健史 長谷川 峯夫
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成17年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.118, 2005 (Released:2005-09-13)

【目的】フライ料理は人気のある献立である。しかし、最近では廃油処理のわずらわしさや環境への配慮から、とくに単身世帯、少数世帯において敬遠されがちな調理方法といえる。本研究では、マヨネーズを使って、揚げ調理の代替となる簡便な調理方法を探究することを目的とした。【方法】殻を取り除き筋切りしたエビ(中)の表面に、小麦粉、一般的な卵黄型マヨネーズ、パン粉(乾燥)を順につけ、オーブンで焼成した。外観と官能評価により適切な加熱条件を調べた。対照として、一般的な家庭での調理方法に従い、エビに小麦粉、卵、パン粉をつけ、揚げ調理したものを調製した。それぞれについて酸分解法による脂質の定量、SD法を用いた官能評価を行った。【結果】マヨネーズの添加量は、エビ1尾につき3gとし、240℃のオーブンで10分間焼成したとき、最も好ましくフライの食味が得られた。脂質の定量結果から、マヨネーズをつけて焼成したものは、揚げ調理した対照に比べ脂質が少なくなる傾向が示された。官能評価から、マヨネーズをつけて焼成したものよりも、揚げ調理をした対照の方がサクサク感があると評価されたが、ジューシー感、かたさ、好ましさでは有意な差はなかった。以上の結果から、マヨネーズを用いたフライの調理方法は、揚げ調理の簡便な代替方法になりうることが示された。