著者
江島 清 長谷川 悦雄 松下 洋一 西出 宏之 土田 英俊
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.11, pp.1836-1845, 1988-11-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
14
被引用文献数
1

3種類の 2-位置側鎖にイミダゾリル置換基をもつ 5, 10, 15, 20-tetrakis(α, α, α, α-o-pivalamidophenyl)porphyrinatoiron(II) 誘導体 [12], [14] および [15] を合成した。5, 10, 15, 20-tetrakis(α, α, α, α-o-pivalamidophenyl)porphyrin[1] の銅(II) 錯体 [2] は, Vilsmeier 試薬と反応して 2-ホルミルポルフィリナト銅(II) 誘導体 [3] を与えた。[3] を濃硫酸で処理して銅が脱離した [4] を得た。これは, Knoevenagel 反応で 2-(trans-カルボキシエテニル)ポルフィリン誘導体 [7] を, 水素化ホウ素ナトリウム還元で 2-(ヒドロキシメチル)ポルフィリン誘導体 [5] を与えた。[5] にホスゲン, 1-(3-アミノブロピル)イミダゾール, および臭化鉄(II) を順次反応させて [12] を得た。[7] の鉄(III) 錯体 [13] に2種のイミダゾール誘導体をアミド縮合させて, [14] および [15] を得た。[5] と比較して [14] と [15] は, 鉄(II) フリーの状態で不安定であり, 置換基の種類によってイミダゾリル基をもつ 5, 10, 15, 20-terakis(α, α, α, α-o-pivalamidophenyl)porphyrin の安定性に差が見られた。
著者
江島 清 長谷川 悦雄 松下 洋一 西出 宏之 土田 英俊
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.10, pp.1713-1718, 1988-10-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
10

5,10,15-tris(α,α,α-o-pivalamidophenyl)-20-[α-o-[4-[[12-(1-imidazelyl)dodecyl]carbamoyl]-2,2-dimethylbutanamido]pheny1]porphyrinatoiron(II) [9] を合成した。5,10,15,20-テトラキス(α,α,α,α-o-アミノフェニル)ポルフィリン [4] に 1.2当量の4-エトキシカルボニル-2,2-ジメチルブタノイルクロリド [3] および過剰量のピバロイルクロリドを順次反応させたのちエステルを加水分解し, 5,10,15-tris(α,α,α-o-pivalamidophenyl)-20-[α-o-(4-carboxy-2,2-dimethylbutanamido)phenyl]porphyrin [7] を得た。これに 1-(12-アミノドデシル)イミダゾール [7'] を縮合させて, 5,10,15-tris(α,α,α-o-pivalamidophenyl)-20-[α-o-[4-[[12-(1-imidazolyl)dodecyl]carbamonl]-2,2-dimethylbutanamido]Pheny1]Porphyrin [8] を得た。この化合物は化学的に安定であり, 対応する既報の 5,10,15-tris(α,α,α-o-pivalamidophenyl)-20-[β-o-[5-(1-imidazolyl)pentanaido]phenyl]porphyrin が光と酸素の共存下で迅速に分解するのと対比される。[9]のとり得る立体配座をあわせ議論した。
著者
江島 清 松下 洋一 長谷川 悦雄 西出 宏之 土田 英俊
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.4, pp.518-521, 1988-04-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
18
被引用文献数
1

シクロデキストリンをかぶせた構造のヘム誘導体(以下CD結合ヘムと略記する)を,鉄(II)プロのなトポルフィリンIX(ヘム)の6-,7-位プロピオン酸とα-シクロデキストリン(以下CDと略記する)の第一級ヒドロキシル基をエステル結合またはウレタン結合により結び付ける反応から合成した。CD結合ヘムへ軸配位したイミダゾールの配位平衡定数はヘムの約1/100に低下,,CD結合側からの軸配位がCDの立体障害によって妨げられることを観測した。高分子2一メチルイミダゾールが配位したCD結合ヘムは,-30℃ の水中で寿命の長い酸素錯体を生成した。これらの結果は,CDがヘム面上にかぶさった立体構造を支持する。CD結合ヘムを生体内酸素輸送の目的でラットに静脈内投与した場合,急性毒性はヘムに比較していちじるしく低下する。
著者
長谷川 悦雄 土田 英俊
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.38, no.7, pp.728-731, 1989-07-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
24
被引用文献数
4 4