著者
関根 理敏 竹内 彰次郎 瀬崎 薫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.87, pp.7-10, 2005-05-19
参考文献数
9

センサネットワークでは, ノードが大部分の期間パケットの送受信を行わずにスリープ状態になり, クエリの配信やイベント検知などにより一時的にアクティブ状態となりパケットの送受信を行うというように, トラフィックが変動する場合が想定される.筆者らは以前, センサネットワークにおいて, 送信スロットの予約をランダムアクセス期間に行うスケジューリングベースの低消費電力MACプロトコルを提案した.しかしながら, 提案手法では低トラフィック時に, スロット予約期間が冗長になることがあるという課題があった.そこで本稿では, 送信要求期間とスロット割り当て期間の長さをトラフィックに応じて, 自律分散的かつ動的に変更することで, 消費電力を抑制する手法を示す.シミュレーションによる評価の結果, 適応的制御を行わない場合と比較して, データパケット受信数を減らすことなく, 特に低トラフィック時の消費電力の改善がみられた.
著者
関根 理敏 小林 一樹 伊加田 恵志
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

近年,主に製造業の分野において,工場設備や工業製品の機器の予防保全に向けたセンサデータの収集・分析による異常検知のニーズが高まっている.そこでは機器の状態監視において,センサデータをリアルタイムに収集・分析し,観測対象の故障の兆候を自動的に把握する.機器の異常検知において,従来手法では一例として,機器の正常・異常に関連する特定の周波数帯のパワーに着目し,そのパワーの大小を比較することによって異常検知を行っている.しかしながら,正常・異常に関与する周波数帯が複数ある場合や,広域にまたがる場合,また検知対象に個体差がある場合等では,周波数帯を明確に特定し,パワーの大小から異常検知を行うのが困難な場合がある.そこで本稿では,教師なし学習アルゴリズムである非負値行列因子分解(Non-negative Matrix Factorizationを利用し,学習段階と判別段階でNMFの基底行列を共通化することで,係数行列を特徴量とした異常検知手法を提案する.機器を利用した異常検知の性能評価を行った結果,振動データの自動特徴抽出によって,異常部位の動作区間における異常検知が可能であることが分かった.
著者
関根 理敏 野崎 正典
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.134, pp.31-36, 2008-07-10
参考文献数
8

ユーザが近距離無線通信機能を有する携帯端末を利用して,ゲーム情報,ロコミ情報,また興味情報などを交換するPocket Switched Network (PSN)が新たなネットワークサービスとして想定されている.このようなサービスでは,ユーザは限定的な範囲のみならず,住宅地,オフィス,また商業施設などの広い範囲を移動し,携帯端末がデータをホップバイホップで中継する場合もある.PSNではリンクの切断が長時間継続し,ネットワークトポロジーの変動が大きいため,効率的にデータの交換を行うことが重要になる.そこで本稿では,広域におけるユーザの移動モデルを想定する.そしてノードがお互いに無線リンクにおける配送遅延に関する情報の収集し,その情報を利用して複数ホップに渡ってデータを効率的に交換する方式に関する検討を行う.