- 著者
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小林 高嶺
河上 智也
保原 達
春日 純子
松本 真悟
阿江 教治
- 出版者
- 日本森林学会
- 雑誌
- 日本森林学会大会発表データベース 第127回日本森林学会大会
- 巻号頁・発行日
- pp.399, 2016-07-08 (Released:2016-07-19)
土壌有機物は非常に多様な構成を示すと考えられていたが、近年の研究から一部の土壌有機物は微生物由来のものに徐々に置き換わりながら、一部のアミノ酸組成や構成成分が似た物質へと収斂していく可能性が示唆されている。本研究では、土壌分解物に収斂性があるのかを検証することを目的とし、まず新鮮な桜島火山灰にグルコース、ミズナラ、トドマツの異なる3種類の有機物を添加し120日間の培養を行った。さらに0,30,60,120日目において各土壌を20g採取しKCl、超純水、リン酸緩衝液による逐次抽出を行い、抽出液において有機物の分解生成物や土壌中のアミノ酸組成の変化について検証を行った。その結果、全炭素においてはグルコース区では30日目までに減少がみられたが、ミズナラ区、トドマツ区に大きな変化は見られなかった。一方、全窒素では、グルコース区、ミズナラ区では大きな変化は見られなかったが、ミズナラ区で大きな増加がみられ、微生物の活動により窒素固定が行われたと推測された。これから土壌有機物の分解生成物にC/N比的な収斂は見られなかった。発表では、アミノ酸分析の結果も交えて考察を加えていく。