著者
壇 和弘 阿萬 誉 本間 素子 永田 雅靖 山下 市二
出版者
japan association of food preservation scientists
雑誌
日本食品低温保蔵学会誌 (ISSN:09147675)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.133-138, 1996-08-30 (Released:2011-05-20)
参考文献数
15

野菜の品種変遷による品質の変化を明らかにするために, トマトおよびピーマンについて果実の品質と品種の関係を調査した。トマト果実の糖含量は新しい品種ほど高い傾向が認めら礼甘い品種へ変遷してきたことが推察された。ピーマン果実の糖含量は新しい品種で低い傾向が認めら礼また, 糖組成にも違いが認められた。トマト果実のアスコルビン酸含量は品種により大きく異なったが新しい品種でやや低くなる傾向が認められた。ピーマン果実のアスコルビン酸含量は新しい品種で低くなる傾向が顕著であった。凍結乾燥果実から水溶性抽出液を調製し, Salnzonella typhimurium TA 98およびTA100を用いたAmes試験でTrp-P-2の変異原性におよぼす抑制効果を調べた。その結果試験したトマトおよびピーマン全ての品種でTrp-P-2の変異原性に対する抑制効果が認められた。しかし, 抑制効果の程度と品種の変遷との関係は明らかではなかった。本研究の一部は第40回日本食品低温保蔵学会秋季大会および日本食品科学工学会第42回大会において発表した。