著者
菊池 修平
出版者
japan association of food preservation scientists
雑誌
日本食品低温保蔵学会誌 (ISSN:09147675)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.15-20, 1988-02-29 (Released:2011-05-20)
参考文献数
12

It is reported that little bromate is left in bread after potassium bromate has been broken down by heat treatment. But not only the methods employed for measuring bromate so far are not the same, but also many kinds of bread have been used than and there.So, using a loaf of commercial bread (3 pound of bread) and a roll bread made under the same condition, the remain of bromate in each kind of bread was measured by Ion Chromatography. When potassium bromate added is less than 50 ppm in a pullman bread, less than 90 ppm in a mountain bread, less than 60 ppm in a roll bread, bromate was broken out and not detected. When the remain of bromate could be detected, they decreased in proportion to the amount of potassium bromate added.It is reported that 10-15 ppm of bromate is added to bread by bread manufacturers. As a result, it is confirmed that no bromate is left in a loaf of bread and a roll bread made and sold by manufacturers.
著者
王 洪剛 弦間 洋 大垣 智昭
出版者
japan association of food preservation scientists
雑誌
日本食品低温保蔵学会誌 (ISSN:09147675)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.89-94, 1988-09-10 (Released:2011-05-20)
参考文献数
14
被引用文献数
1

スモモ果実'大石早生'のチルド貯蔵における最適貯蔵温度や低温障害の有無を明らかにする資料を得ることを目的として本研究を行った。その結果, 低温障害の発生が認められたので, その様相を明らかにし, 発生機構に考察を加えた。(1) 7℃で貯蔵3週間後には果実が軟化して商品性を失った。-1℃貯蔵では貯蔵25日以後になると低温障害を起こして貯蔵性がなくなった。一方, 0℃貯蔵では貯蔵40日後までは果実が全般的に良好であり, 7℃貯蔵に比べて貯蔵期間がほぼ2倍に延長された。すなわち, スモモ果実の最適貯蔵温度は0--1℃の温度域にあると考えられたが, -1℃では低温障害を起こす恐れがある。(2) 7℃で貯蔵では果実の追熟に伴うACCの蓄積があり, それがEFEによってエチレンに変換されるのに対して, 0℃以下の貯蔵ではEFE活性は7℃貯蔵に比べても十分認められたが, 組織内のACC含量が少なかった結果としてエチレン生成が少なかったものと考えられた。また, 貯蔵中におけるEFE活性はいずれの貯蔵温度でも低下した。(3) K+漏出速度におけるアレニウスプロットを求めたところ, break温度は-0.9℃であり, 低温障害の臨界温度とほぼ一致した。スモモ果実を-1℃に貯蔵すると, 25日経過後に明らかな低温障害がみられた。症状は果肉にまず白斑点が現れ, 次第に褐変軟化するものであった。電解質漏出速度の急増は白斑点発生との前後関係については明らかではなかったが, 褐変発生前に現れた。また, 白斑点の発生前に総フェノール物質の顕著な増加が認められた。
著者
松山 惇 渡辺 学 林 憲一朗 江澤 真 清澤 功 長澤 太郎
出版者
japan association of food preservation scientists
雑誌
日本食品低温保蔵学会誌 (ISSN:09147675)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.24-29, 1993-03-30 (Released:2011-05-20)
参考文献数
20

80℃, 30分間殺菌した豆乳にLactobacillus bulgaricus, Streptococcus thermophilusおよびBifidobacterium longumを混合接種して調製した発酵豆乳および発酵植物油添加豆乳ならびに市販プレーンヨーグルトを10日間冷温保蔵 (5℃) し, 48時間ごとにpH, 酸度, 乳酸菌およびビフィズス菌の生菌数およびホエー量を測定した。発酵豆乳および発酵植物油添加豆乳では, 日数の経過とともにpHは低下し, 酸度が上昇した。乳酸菌数は, いずれも減少傾向を示したが, 10日間保蔵で生菌数107以上を確保することができた。また, B.longumは, 10日間保蔵で108の菌数を保持した。ホエー量は, 保蔵日数の経過とともに, いずれもわずかに増加したが, ヨーグルトより少なかった。次に, 殺菌温度 (80℃, 90℃, 100℃, 30分間および121℃, 15分間) の異なる豆乳を用いて, 発酵豆乳および発酵植物油添加豆乳を調製して冷温保蔵した。その結果, 90℃, 30分間加熱の発酵豆乳は, 0日目のpHが最も高く, 酸度が最も低かったが, 冷温保蔵時にはその変化が, 最も大きかった。生菌数は, いずれの殺菌温度で冷温保蔵によって減少傾向を示したが, 10日間冷温保蔵で107以上を保持した。ホエー量は, いずれの発酵豆乳も殺菌温度が低いほど多かったが, ヨーグルトより低値であった。なお, 植物油添加の有無による差異はとくに認められなかった。
著者
太田 英明 與座 宏一 中谷 明雄 椎名 武夫 井尻 勉 石谷 孝佑
出版者
japan association of food preservation scientists
雑誌
日本食品低温保蔵学会誌 (ISSN:09147675)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.106-111, 1991-10-15 (Released:2011-05-20)
参考文献数
12
被引用文献数
2 2

低密度ポリエチレン (LDPE) の30μmおよび50μm厚を対照にして, 市販の「機能性フィルム」6種類のエチレン透過性を簡易なパウチ法とLyssy法で, また窒素・酸素・二酸素, 二酸化炭素透過性もLyssy法で測定し, 併せて20℃の貯蔵条件下で個別包装したプロッコリーの品質安定性を検討した。1) エチレン, 酸素, 二酸化炭素ともガス透過性の高いフィルムは, EVAフィルム, 無機多孔質混入フィルム1種類および対照のLDPE (30μm) であった。代表的な無機多孔質混入フィルムのエチレン透過性は, LDPE (50μm) とほぼ同じ値であった。2) 簡易法とLyssy法で得られたエチレン透過性の値はほぼ同程度であり, 本簡易法が有用であることを示した。3) エチレン, 酸素等の透過性の高いフィルムが, 貯蔵中におけるブロッコリーの異臭の発生が少なく, 総合的な官能評点も他のフィルムより高かった。以上の結果から, 市販「機能性フィルム」のエチレン透過性とブロッコリーの品質安定性をガス透過性との関連で考察した。
著者
周 仲光 鈴木 敏郎 津坂 辰男 鴨居 郁三
出版者
日本食品保蔵科学会
雑誌
日本食品低温保蔵学会誌 (ISSN:09147675)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.95-100, 1988

ニトロソアミンの食品衛生上の問題に関連して, 各種の原料生肉のNO<SUB>2</SUB>-およびNO<SUB>3</SUB>-塩類の含有量と, 畜肉加工品製造工程中におけるNO<SUB>2</SUB>-およびNO<SUB>3</SUB>脚の消長について検討を行った。<BR>その結果, 各豚肉試料中のNO<SUB>2</SUB>-量は0.07-0.09PPm, NO<SUB>3</SUB>-量は約1.60-2.30PPmの範囲であり, いずれも微量で部位間にも大きな差は認められなかった。また, 鶏肉中のNO<SUB>2</SUB>- (0.07PPm) およびNO<SUB>3</SUB>- (1.92PPm) も豚肉と同様, その含有量はきわめて少なかった。しかし, 凍結ウサギ肉ではNO<SUB>2</SUB>- (0.29ppm) が豚肉の約4倍, NO<SUB>3</SUB>- (5.54ppm) で約3倍とその含有量は豚肉, 鶏肉に比べてかなり多くなっていた。<BR>一方, 塩漬工程中では, 香辛料の添加などにより, NO<SUB>2</SUB>-およびNO<SUB>3</SUB>-ともにその含有量は増加していた。また, 乾燥, くん煙, スチームクッキングなどの工程中に発色剤無添加製品でも, NO<SUB>2</SUB>-およびNO<SUB>3</SUB>-の双方が増加することが明らかになり, その含有量はくん煙条件などの違いによりかなり変動していた。<BR>次に, ロースハム中のNO<SUB>2</SUB>-の分布を調べたところ, 中心部のNO<SUB>2</SUB>-濃度は0.28PPmであり, 外部の0.62PPmに比べ, 明らかに低くなっていた。<BR>また, ピックル液中のNO<SUB>2</SUB>-塩濃度 (0-500ppm) を変えた場合, その添加量が増すにしたがって, ロースハム中のNO<SUB>2</SUB>-の残存量も増加していったが, 製品の肉色は, NO<SUB>2</SUB>-濃度が50ppm以上のであれば, 良好な色調が得られることが明らかになった。
著者
久保 康隆 平田 治 稲葉 昭次 中村 怜之輔
出版者
japan association of food preservation scientists
雑誌
日本食品低温保蔵学会誌 (ISSN:09147675)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.79-83, 1996-05-30 (Released:2011-05-20)
参考文献数
19
被引用文献数
1 3

The rates of C2H4 production in peach and banana fruits stored under 3 % O2 decreased by approximately 60% and 50% respectively compared to those stored in air. 1-aminocyclo-propane-1-carboxylic acid (ACC) oxidase activity in both fruits did not change during low O2 and subsequent air storage, when measured in the disks incubated under air condition. Low O2 treatment increased slightly ACC contents in both fruits. However, the increase in ACC content in peaches was much less compared to the calculated increase based on the result of the inhibition in C2H4 production, on the assumption that low O2 atmosphere would not affect the conversion of s-adenosylmethionine (SAM) to ACC. When ACC oxidase activity in excised flesh tissues from peach, banana, cucumber, and eggplant was measured under various O2 concentrations, the activity was distinctly O2-dependent. Our results suggest that inhibition of C2H4 production by shortterm low O2 treatment is mainly due to inhibition of ACC oxidase activity, not due to decrease in amount of the enzyme. The inhibitory effect of low O2 on C2H4 production in peach fruit might be partly due to inhibition of the conversion of SAM to ACC.
著者
壇 和弘 阿萬 誉 本間 素子 永田 雅靖 山下 市二
出版者
japan association of food preservation scientists
雑誌
日本食品低温保蔵学会誌 (ISSN:09147675)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.133-138, 1996-08-30 (Released:2011-05-20)
参考文献数
15

野菜の品種変遷による品質の変化を明らかにするために, トマトおよびピーマンについて果実の品質と品種の関係を調査した。トマト果実の糖含量は新しい品種ほど高い傾向が認めら礼甘い品種へ変遷してきたことが推察された。ピーマン果実の糖含量は新しい品種で低い傾向が認めら礼また, 糖組成にも違いが認められた。トマト果実のアスコルビン酸含量は品種により大きく異なったが新しい品種でやや低くなる傾向が認められた。ピーマン果実のアスコルビン酸含量は新しい品種で低くなる傾向が顕著であった。凍結乾燥果実から水溶性抽出液を調製し, Salnzonella typhimurium TA 98およびTA100を用いたAmes試験でTrp-P-2の変異原性におよぼす抑制効果を調べた。その結果試験したトマトおよびピーマン全ての品種でTrp-P-2の変異原性に対する抑制効果が認められた。しかし, 抑制効果の程度と品種の変遷との関係は明らかではなかった。本研究の一部は第40回日本食品低温保蔵学会秋季大会および日本食品科学工学会第42回大会において発表した。
著者
竹中 規訓
出版者
japan association of food preservation scientists
雑誌
日本食品低温保蔵学会誌 (ISSN:09147675)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.143-151, 1995-08-31 (Released:2011-05-20)
参考文献数
27
被引用文献数
1
著者
後藤 昌弘 村上 譲
出版者
japan association of food preservation scientists
雑誌
日本食品低温保蔵学会誌 (ISSN:09147675)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.193-196, 1994

ベゴニアを食用花として収穫し, 2℃と20℃に保存した場合, 両温度区とも貯蔵2日では花の色 (品種) によって鮮度指数の低下が異なり, 赤花 (パーシティレッド), ピンク花 (フィナーレ) よりも, 白花 (パーシティホワイト) で大きかった。しかし, その後はどの花色も同様に指数が低下し, 商品性は2℃で約7日, 20℃で約3日保持された。この鮮度の低下は主として萎凋と花弁の変色によるもので, 萎凋はハーブ類よりも少ない重量減少で激しい症状がみられた。また, 花弁の変色は周辺部から起こることがわかった。<BR>花を手づみした場合とはさみで摘み取った場合, 両温度区とも手づみの鮮度の低下が速かった。<BR>以上の結果から,ベゴニアを食用花として収穫し,貯蔵する場合には,はさみで丁寧に摘み取り,低温に保存することが望ましいと思われた。
著者
菅原 渉 河野 澄夫 太田 英明
出版者
japan association of food preservation scientists
雑誌
日本食品低温保蔵学会誌 (ISSN:09147675)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.3-9, 1987-03-20 (Released:2011-05-20)
参考文献数
11
被引用文献数
1 2

生栗の6カ月以上の長期貯蔵を目的に低温貯蔵試験を行った。1. 1℃ポリエチレン包装区は, カビ・萌芽等の不良果の発生が6カ月貯蔵でも6%と少なかった。一方, 5℃以上の貯蔵区は不良果の発生が甚しく, 5℃貯蔵でも3~4カ月が貯蔵限界であった。2. 貯蔵中, シヨ糖含量の増加と澱粉含量の減少が認められた。この現象は低温貯蔵区ほど著しかった。このショ糖含量の増加により官能評価において高い評点が得られた。3. 総フェノール含量, 硬度, 色調, 官能評価等の測定項目においても, 1℃区 (PE) での貯蔵中変化は, 5℃以上の貯蔵区に比べ際立って少なかった。以上より, 1℃, PE貯蔵により6カ月以上の長期貯蔵が可能であると考えられると同時に, 貯蔵に伴うシヨ糖含量の増加による甘味の改善という副次的効果が確認された。
著者
壇 和弘 永田 雅靖 山下 市二
出版者
japan association of food preservation scientists
雑誌
日本食品低温保蔵学会誌 (ISSN:09147675)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.127-132, 1995-08-31 (Released:2011-05-20)
参考文献数
20
被引用文献数
1

青果物の呼吸におよぼす低酸素の影響を調べるためにナス, トマト, ピーマン, キュウリ, ソラマメ, エンドウ, ダイコン, ニンジン, ハクサイの呼吸量を空気下および酸素濃度1%, 4%, 7%, 10%環境下で測定した。低酸炭環境下における各種野菜の呼吸量は, 先に開発したガス分離膜方式修整空気システム (GSM-MAS) ・CO2発生量測定装置およびPSA (Pressureswingadsorption) 方式修整空気システム (PSA-MAS) ・CO2発生量測定装置を用い, 試料が排出する二酸化炭素の割合を測定して求めた。供試した全ての野菜において雰囲気中の酸炭濃度を低下させると数時間以内に呼吸の低下が始まり, 空気下に比べ低酸炭環境下では呼吸量が抑制された。ナスおよびニンジンでは雰囲気中の酸素濃度と呼吸量の間に比例関係が認められ, 酸素濃度を低下させると空気下に比べ呼吸量は明らかに減少した。しかし, その他の野菜では酸炭濃度が7%以上の条件下では呼吸の抑制程度は小さく, 酸素濃度7%以下の環境下において酸素濃度の低下とともに明らかな呼吸の減少が認められた。
著者
北尾 次郎
出版者
japan association of food preservation scientists
雑誌
日本食品低温保蔵学会誌 (ISSN:09147675)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.196-210, 1993-12-28 (Released:2011-05-20)
参考文献数
31
被引用文献数
1
著者
入江 正和
出版者
japan association of food preservation scientists
雑誌
日本食品低温保蔵学会誌 (ISSN:09147675)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.103-107, 1996-05-30 (Released:2011-05-20)
参考文献数
24
被引用文献数
2