著者
壇 和弘 大和 陽一 今田 成雄
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.323-328, 2005-09-15
被引用文献数
4 7

光強度および赤色光(R)/遠赤色光(FR)比を変えた光環境がコマツナ(Brassica campestris品種'はるみ小松菜', '楽天')の硝酸イオン濃度および硝酸還元酵素(NR)活性に及ぼす影響について調査した.コマツナは, 異なる光強度(PPFD 165, 290, 350, 510μmol・m^<-2>・sec^<-1>)あるいは異なるR/FR比(1.01: 対照区, 0.66: R抑制区, 1.50: FR抑制区)の光環境下で1/2単位および1単位の培養液を用いて養液栽培した.異なる光強度でコマツナを生育させたところ, 'はるみ小松菜'の硝酸イオン濃度は光強度の増加とともに低下し, 非リン酸化NR活性は光強度の増加とともに高まった.'楽天'では, 1/2単位の培養液を用いた試験区において, 光強度の増加とともに硝酸シオン濃度は低下し, 非リン酸化NR活性は高まったが, 1単位の培養液を用いた試験区では, 光強度が増加しても硝酸イオン濃度はほとんど低下せず, 非リン酸化NR活性も変化しなかった.R/FR比を変えてコマツナを生育させたところ, 1/2単位の培養液を用いたR抑制区でのみ硝酸イオン濃度の低下が認められた.
著者
壇 和弘 阿萬 誉 本間 素子 永田 雅靖 山下 市二
出版者
japan association of food preservation scientists
雑誌
日本食品低温保蔵学会誌 (ISSN:09147675)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.133-138, 1996-08-30 (Released:2011-05-20)
参考文献数
15

野菜の品種変遷による品質の変化を明らかにするために, トマトおよびピーマンについて果実の品質と品種の関係を調査した。トマト果実の糖含量は新しい品種ほど高い傾向が認めら礼甘い品種へ変遷してきたことが推察された。ピーマン果実の糖含量は新しい品種で低い傾向が認めら礼また, 糖組成にも違いが認められた。トマト果実のアスコルビン酸含量は品種により大きく異なったが新しい品種でやや低くなる傾向が認められた。ピーマン果実のアスコルビン酸含量は新しい品種で低くなる傾向が顕著であった。凍結乾燥果実から水溶性抽出液を調製し, Salnzonella typhimurium TA 98およびTA100を用いたAmes試験でTrp-P-2の変異原性におよぼす抑制効果を調べた。その結果試験したトマトおよびピーマン全ての品種でTrp-P-2の変異原性に対する抑制効果が認められた。しかし, 抑制効果の程度と品種の変遷との関係は明らかではなかった。本研究の一部は第40回日本食品低温保蔵学会秋季大会および日本食品科学工学会第42回大会において発表した。
著者
壇 和弘 永田 雅靖 山下 市二
出版者
japan association of food preservation scientists
雑誌
日本食品低温保蔵学会誌 (ISSN:09147675)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.127-132, 1995-08-31 (Released:2011-05-20)
参考文献数
20
被引用文献数
1

青果物の呼吸におよぼす低酸素の影響を調べるためにナス, トマト, ピーマン, キュウリ, ソラマメ, エンドウ, ダイコン, ニンジン, ハクサイの呼吸量を空気下および酸素濃度1%, 4%, 7%, 10%環境下で測定した。低酸炭環境下における各種野菜の呼吸量は, 先に開発したガス分離膜方式修整空気システム (GSM-MAS) ・CO2発生量測定装置およびPSA (Pressureswingadsorption) 方式修整空気システム (PSA-MAS) ・CO2発生量測定装置を用い, 試料が排出する二酸化炭素の割合を測定して求めた。供試した全ての野菜において雰囲気中の酸炭濃度を低下させると数時間以内に呼吸の低下が始まり, 空気下に比べ低酸炭環境下では呼吸量が抑制された。ナスおよびニンジンでは雰囲気中の酸素濃度と呼吸量の間に比例関係が認められ, 酸素濃度を低下させると空気下に比べ呼吸量は明らかに減少した。しかし, その他の野菜では酸炭濃度が7%以上の条件下では呼吸の抑制程度は小さく, 酸素濃度7%以下の環境下において酸素濃度の低下とともに明らかな呼吸の減少が認められた。