- 著者
-
壇 和弘
永田 雅靖
山下 市二
- 出版者
- japan association of food preservation scientists
- 雑誌
- 日本食品低温保蔵学会誌 (ISSN:09147675)
- 巻号頁・発行日
- vol.21, no.3, pp.127-132, 1995-08-31 (Released:2011-05-20)
- 参考文献数
- 20
- 被引用文献数
-
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青果物の呼吸におよぼす低酸素の影響を調べるためにナス, トマト, ピーマン, キュウリ, ソラマメ, エンドウ, ダイコン, ニンジン, ハクサイの呼吸量を空気下および酸素濃度1%, 4%, 7%, 10%環境下で測定した。低酸炭環境下における各種野菜の呼吸量は, 先に開発したガス分離膜方式修整空気システム (GSM-MAS) ・CO2発生量測定装置およびPSA (Pressureswingadsorption) 方式修整空気システム (PSA-MAS) ・CO2発生量測定装置を用い, 試料が排出する二酸化炭素の割合を測定して求めた。供試した全ての野菜において雰囲気中の酸炭濃度を低下させると数時間以内に呼吸の低下が始まり, 空気下に比べ低酸炭環境下では呼吸量が抑制された。ナスおよびニンジンでは雰囲気中の酸素濃度と呼吸量の間に比例関係が認められ, 酸素濃度を低下させると空気下に比べ呼吸量は明らかに減少した。しかし, その他の野菜では酸炭濃度が7%以上の条件下では呼吸の抑制程度は小さく, 酸素濃度7%以下の環境下において酸素濃度の低下とともに明らかな呼吸の減少が認められた。