著者
陳 介余 宮里 満 石黒 悦爾 難波 直彦
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.951-956, 1993
被引用文献数
1

本報では打撃力による農産物の硬度を非破壊的に測定する方法を提案した. 簡単な弾性モデルを用いて打撃力を解析した結果, 特性値kは農産物の弾性係数などの内部品質だけに影響され, 農産物の大きさと打撃力の強さに影響されないので農産物硬度の判定指標とすることが可能であることが示された.<BR>また, カボチャと桜島大根を供試材料として, 打撃装置を利用して統計的な実験をした結果, その硬度とk値との間にそれぞれ0.93, 0.92の相関係数が得られた. 従って, 本方法はカボチャと桜島大根の硬度を非破壊測定するには可能だと思われる.
著者
難波 直彦 若松 千秋 山口 孝一
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿兒島大學農學部學術報告 (ISSN:04530845)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.203-210, 1983-03-15

1.かんがい用調整池の水平ブランケットに粘性土を用いる場合, 地盤の沈下による変形に対する安定性を検討する方法として, 地盤土にWinkler-modelをあてはめた地盤反力法の適用を検討した.2.境界条件として, イ)両端固定, ロ)一端固定他端移動, ハ)一端固定他端自由の3種をとり, それぞれについての解を求めた.解に含まれる4つの積分定数C_i(i=1〜4)の無次元量G′_iについて, それぞれが無次元数αLに対して示す変化を調べ, αL≧7では境界条件いかんにかかわらず, 同じ結果(C′_1=C′_2=0,C′_3=C′_4=-1)を与えることを明らかにした.3.境界条件とαLの違いによるたわみと曲げモーメントとの軸方向の分布を比較した.αLが小さいときには, 境界条件による違いが目立つが, αLが大きいときには固定端からはりの中央部まで, ほとんど差異が無い.4.地盤, ブランケット材および荷重について一定の仮定を設け, 絶対値最大曲げモーメントの生じる固定端断面での曲げ引張り応力を調べた.はりの変形係数Eをパラメーターとし, 地盤反力係数kに対する最大曲げ引張り応力σ_tの関係を示した(Fig.10).5.安定条件を明らかにするため, ブランケット材として用いられた粘性土の曲げ試験, 一軸圧縮試験を行い, 限界応力, 変形係数の値を求め, 前項のFig.10に対比して, 限界条件の例を示した.6.上記の実例の施工実績を検討し, この方法による安定解析の可能性を明らかにしたが, 地盤反力係数kの決定法に, なお問題が残されている.