著者
平井 正良 雨木 若慶 渡邊 博之
出版者
日本生物環境工学会
雑誌
植物環境工学 (ISSN:18802028)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.160-166, 2006 (Released:2007-06-01)
参考文献数
16
被引用文献数
8 20

本実験ではLEDを唯一の光源とし,第一本葉展開後のナス,リーフレタス,ヒマワリに,青,青緑,緑,赤色の単色光を50, 100, 150μmol m-2 s-1のPPFDで照射した.単色光照射開始から,25日後にナス,リーフレタス,42日後にヒマワリの生長を調査した.主茎の伸長は,ナス,ヒマワリにおいて青色光で顕著に促進され,他の単色光ではほとんど促進されなかった.リーフレタスの主茎伸長は,赤,緑,青緑色光の順に促進されたが,青色光では著しく抑制された.また,照射した単色光により全葉長に占める葉柄長の割合は植物種ごとに変化し,単色光照射による植物の生長反応は種により大きく異なった.
著者
梁 順子 雨木 若慶 樋口 春三
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.1170-1177, 1999-11-15
被引用文献数
1 2

カランコエのin vitro開花の実験系の確立を目的として7品種を供試し, 品種間差異および温度, 日長, PPFDおよび換気回数について検討した.さらに, in vitroとin vivo下における花芽の分化および発達過程を比較した.1. in vitroにおいては, 短日下で供試した7品種中5品種が発蕾し, 晩生系の'Sensation', 'Rose Crown'の2品種は発蕾しなかった.発蕾した5品種については発蕾日数には差が見られ, 20℃では早生系の'Singapore', 'Adagio'が早く, 中生系の'王冠', '宝冠', 'Fortyniner'が遅れて発蕾した.また, 開花反応に対する好適培養温度には品種間差が見られ, 20℃では前述の5品種, 25℃では'王冠'1品種のみが発蕾した.2. 'Singapore'を用いてin vitroにおける日長, 温度とPPFDの影響を検討したところ, 20℃, 短日下のみで発蕾した.また, 10, 30μmol・m^<-2>・s^<-1>PPFD下では発蕾がみられず, 40μmol・m^<-2>・s^<-1>PPFDで発蕾した.3. in vitroにおける花成反応は, 換気回数の小さいアルミ栓区では発蕾が見られず, 通気フィルター栓区とシリコン栓区で発蕾が見られた.4. in vitroとin vivoの双方とも花芽分化開始から発蕾までは約35日を要し, 花芽発達の進行速度は同じであった.