著者
塩谷 隆信 佐藤 一洋 佐野 正明 渡邊 博之
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.131, no.6, pp.417-422, 2008 (Released:2008-06-13)
参考文献数
34
被引用文献数
2

●カプサイシン受容体はTRPV1と呼ばれる陽イオンチャネルから構成されている.●TRPV1はカプサイシンのほか,酸,熱刺激,アナンダマイド,ブラジキニンやlipoxygenase (LOX) productsなどの炎症性物質でも活性化される.●TRPV1は気道C線維末端に多く発現し,神経原性炎症により活性化され咳嗽反射を亢進させる.●TRPV4も神経原性炎症の病態生理に重要な役割を演じている.●TRPV1拮抗薬は将来的に咳嗽治療薬として大いに期待される.
著者
渡邊 博之 成田 祐一 大山 勝徳 加瀬 澤正 武内 惇 竹中 豊文
雑誌
研究報告 高度交通システム(ITS)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.3, pp.1-8, 2011-06-17

災害時に現在地から避難所までの最短経路を地図上に提示することは,安全で迅速な避難を行うために重要である.本研究では,国土地理院発行の数値地図 2500 を基に ID とグループ番号を付けて道路を作成する方法を提案している.避難所や通行不能箇所は XOOPS をプラットホームとしてデータベースに登録している.現在地は,携帯電話では GPS や基地局,WiFi 付ノート PC ではアクセスポイントを基に測位し,避難所までの最短経路をダイクストラ法で求め,移動経路と共に提示している.実験運用の結果,GoogleMapsAPI 関数では公道を辿るが,数値地図 2500 では実際の避難経路に近い提示ができた.本手法と実測値との誤差は 6% であり,実測値は横断歩道や道路の 凸凹 で長めとなることを示した.It is important to present the shortest path from the current location to the shelter on the map for finding shelters safely and rapidly in the case of a disaster. In this research, the method of making many paths is proposed by the assignment of ID and group number based on the digital map 2500 of the Geospatial Information Authority of Japan. XOOPS is one of the platforms used for the registration of shelters, paths, and broken paths to data base. The present location is estimated by a cellular phone, or estimated by a laptop computer with WiFi, based on the access point. The shortest path by Dijkstra method, and the walking path are presented. As a result of experimental use, it could be shown that the path of the digital map 2500 gives better matches for the actual walking paths more often than the GoogleMapsAPI function. The relative error by the calculation value and the measurement value was 6%, and it showed that the measurement value was longer than the calculation value due to bumps in the crosswalk and the slope.
著者
久場 敬司 湊 隆文 韮澤 悟 佐藤 輝紀 山口 智和 渡邊 博之 今井 由美子 高橋 砂織
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学会年会要旨集 第93回日本薬理学会年会 (ISSN:24354953)
巻号頁・発行日
pp.3-P-314, 2020 (Released:2020-03-18)

Angiotensin-converting enzyme 2 (ACE2) is a negative regulator of the renin-angiotensin system, critically involved in blood pressure regulation, heart function, lung injury, or fibrotic kidney disease. Recombinant human ACE2 protein (rhACE2), currently clinically evaluated to treat acute lung failure, is a glycosylated protein, requiring time- and cost-consuming protein production in mammalian cells. Here we show that the B38-CAP, a carboxypeptidase derived from Paenibacillus sp. B38, is a novel ACE2-like enzyme to decrease angiotensin II levels in mice. Comparative analysis of protein 3D structures revealed that B38-CAP homologue shares structural similarity to mammalian ACE2 without any apparent sequence identity, containing the consensus HEXXH amino acid sequence of the M32 peptidase family. In vitro, recombinant B38-CAP protein catalyzed the conversion of angiotensin II to angiotensin 1-7, as well as other known ACE2 target peptides, with the same potency and kinetics as human ACE2. Treatment with B38-CAP reduced plasma angiotensin II levels and suppressed angiotensin II-induced hypertension, cardiac hypertrophy and fibrosis in mice. Moreover, continuous infusion of B38-CAP inhibited pressure overload-induced pathological hypertrophy, myocardial fibrosis, and cardiac dysfunction in mice, without any overt toxicity of liver and kidney. Our data identify the bacterial B38-CAP as an ACE2-like carboxypeptidase, which exhibits ACE2-like functions in vitro and in vivo. These results indicate that evolution has shaped a bacterial carboxypeptidase to a human ACE2-like enzyme. Bacterial engineering could be utilized to design improved protein drugs for hypertension and heart failure.
著者
平井 正良 雨木 若慶 渡邊 博之
出版者
日本生物環境工学会
雑誌
植物環境工学 (ISSN:18802028)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.160-166, 2006 (Released:2007-06-01)
参考文献数
16
被引用文献数
8 20

本実験ではLEDを唯一の光源とし,第一本葉展開後のナス,リーフレタス,ヒマワリに,青,青緑,緑,赤色の単色光を50, 100, 150μmol m-2 s-1のPPFDで照射した.単色光照射開始から,25日後にナス,リーフレタス,42日後にヒマワリの生長を調査した.主茎の伸長は,ナス,ヒマワリにおいて青色光で顕著に促進され,他の単色光ではほとんど促進されなかった.リーフレタスの主茎伸長は,赤,緑,青緑色光の順に促進されたが,青色光では著しく抑制された.また,照射した単色光により全葉長に占める葉柄長の割合は植物種ごとに変化し,単色光照射による植物の生長反応は種により大きく異なった.
著者
大橋 兼子 敬子 小川 瑛利子 大野 英一 渡邊 博之
出版者
日本植物工場学会
雑誌
植物環境工学 (ISSN:18802028)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.132-141, 2013-09-01
参考文献数
16
被引用文献数
4

LEDによる赤色光,青色光および赤青混合光あるいは蛍光灯による白色光(コントロール)を利用して,シソ,ルッコラおよびコリアンダーを栽培した.成育調査と精油成分含有量の測定結果から,光質のコントロールによって,生食用ハーブの機能性あるいは品質を向上させることが可能なのか検討を行った.<br>本論文で設定された環境条件下においては,シソの栽培において,早く大きく成長させるのは白色光であった.青色光には赤色光に比べてperillaldehyde含有量を向上させる作用があることが分かった.ルッコラの栽培において,早く大きく成長させるのは白色光であった.青色光には赤色光に比べて甘味成分であるanethole含有量を向上させる作用があった.このことから,青色光強度を増すと甘味が増し,青色光強度が低減すると甘味が低減する分,アーモンド風味が増す作用をもつ可能性が考えられた.コリアンダーの栽培においては,赤色光が最も大きく成長させた.さらにコリアンダーの青臭い特有の風味をあたえる (E)-2-decenalおよび(E) -2-dodecenal含有量が赤色光下で最も向上した.赤色光はコリアンダーの成育も風味も向上させる効率的な光であることが分かった.<br>以上のように,植物種ごとに生産に効果的な光条件は異なるが,光質制御によってハーブの品質を向上させることは可能と判断した.
著者
下田 祐紀夫 櫻井 文仁 渡邊 博之
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.151-158, 1997-10-15
被引用文献数
2

切削加工では, 工具欠損が発生すると切削不能になるため, 工作機械, ロボット, 無人搬送車等をストップさせ, 復旧作業を行うために作業者がついていなければならず, 切削加工は自動化されているものの無人化されていないのが現状である.加工システムの信頼度を低め, 無人化を阻止している要因の一つが突発的に発生する工具欠損である.本論は, 工具寿命を「摩耗によるもの」と「欠損によるもの」とにわけ, 各々の工具寿命分布を考慮して問題を定式化し, 工具欠損の発生による加工の中断を少なくし, 信頼度の高い加工システムを構築するために工具の選択法と工具交換時期等の設計法を与えている.