著者
雨車 和憲 半谷 精一郎
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.186-192, 2018-01-01 (Released:2018-01-01)
参考文献数
44

白黒の画像や映像を自動または半自動でカラー化するカラリゼーションと呼ばれる技術が研究されている.近年,ディープラーニングを用いることにより,ユーザが一切の手を加えずに完全に自動でカラー化する手法が提案され注目を集めている技術である.本稿では,これまでに研究されてきた各種カラリゼーション手法を,ユーザによる色情報の指定型,ソース画像入力型,及び完全な自動型に分けてそれぞれの手法の特徴について述べる.また,カラリゼーション手法の発展とともに医用画像やアニメーション制作,画像符号化など様々な研究にカラリゼーションが応用されるようになっている.本稿ではこれら応用研究及び,今後の展望についても述べる.
著者
久保田 悟 雨車 和憲 田中 勇帆 古川 利博 八嶋 弘幸
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J105-C, no.12, pp.376-383, 2022-12-01

核磁気共鳴分光法(Nuclear Magnetic Resonance Spectroscopy:NMRS)は有機化合物の分析をはじめとする化学的及び生理学的な基礎研究において非常に有用である.しかし,観測信号の信号対雑音比(Signal-to-Noise Ratio:SNR)が低いという問題をもつことから,効果的なデノイジング手法によって,測定の高効率化や経時変化の大きな試料への幅広い対応が可能となることが期待される.本論文では,NMRSによる観測信号は周波数域上においてスパース性をもっており,更にこれのN階差分をとった場合でもスパース性が失われないことに着目したデノイジング手法を提案する.シミュレーションによる数値実験から,スペクトル形状やノイズ強度に依らない安定したデノイジング性能を示したためこれを報告する.