著者
久保田 悟 雨車 和憲 田中 勇帆 古川 利博 八嶋 弘幸
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J105-C, no.12, pp.376-383, 2022-12-01

核磁気共鳴分光法(Nuclear Magnetic Resonance Spectroscopy:NMRS)は有機化合物の分析をはじめとする化学的及び生理学的な基礎研究において非常に有用である.しかし,観測信号の信号対雑音比(Signal-to-Noise Ratio:SNR)が低いという問題をもつことから,効果的なデノイジング手法によって,測定の高効率化や経時変化の大きな試料への幅広い対応が可能となることが期待される.本論文では,NMRSによる観測信号は周波数域上においてスパース性をもっており,更にこれのN階差分をとった場合でもスパース性が失われないことに着目したデノイジング手法を提案する.シミュレーションによる数値実験から,スペクトル形状やノイズ強度に依らない安定したデノイジング性能を示したためこれを報告する.
著者
高取 祐介 八嶋 弘幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS
巻号頁・発行日
vol.109, no.187, pp.23-28, 2009-09-02
参考文献数
8
被引用文献数
4

本稿では,前方障害物検出用センサで検出した車両走行情報を車車間通信によって周辺他車両と共有する安全運転支援システムの性能評価を行っている.前方障害物検出機能と車車間通信機能を車両が有するモデルをミクロスコピックシミュレータに導入している.また,自車を中心とした一定範囲内に存在する周辺他車両数に対する情報取得車両数の割合を情報取得率と定義し,システム機器の普及率に対する情報取得率を評価している.さらに,一定道路区間における平均事故発生間隔と,一台あたりの車両が一定距離を走行した際の平均事故遭遇頻度を普及率に対して評価している.前方障害物検出センサのみを使用するシステムと前方障害物検出センサと側後方障害物検出センサを両方使用するシステムにおいて,普及率20%から80%において同平均事故発生間隔で比較した結果,前方障害物検出センサと側後方障害物検出センサを両方使用するシステムに対して,前方障害物検出センサのみを使用するシステムは10ポイントから30ポイント高い普及率が必要となることが明らかにされている.また,平均事故遭遇頻度を比較したところ,搭載車の安全性は普及率40%までは差があるが,40%よりも普及率が向上すると,前方障害物検出センサのみを使用するシステムの平均事故遭遇頻度は前方障害物検出センサと側後方障害物検出センサを両方使用するシステムに近づくことが明らかにされている.
著者
和田 崇雅 高取 祐介 八嶋 弘幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.42, pp.33-37, 2008-05-15
被引用文献数
4

本稿では、インターネット接続機能と2次元コード(QRコード)読み取り機能を持った携帯電話であれば機種を問わず、携帯アプリを導入することなく利用可能な屋内歩行者ナビゲーションシステムを提案している。位置情報を付加したURLを埋め込んだ2次元コードを屋内に配置し、これを利用者が携帯電話で読み取り、埋め込まれたURLへアクセスし目的地を設定することで、ウェブベースでの実画像を用いた直感的な経路案内を実現している。本システムの評価実験を行った結果、多くの利用者が目的地に到着でき、本システムの有効性を確認している。