著者
加來 卯子 中村 比菜子 庄山 茂子 青木 久恵 栃原 裕
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.69, 2017

<b>目的 </b>循環型社会形成推進基本法が施行され、人々のリサイクルへの意識は高まっている。衣料品は、複合度の高さや製品の多様性からリサイクルし難いと言われるが、制服は同一素材であり一度に回収が可能なことから、リサイクルに適するのではないかと考えられている。そこで、制服着用の有無が制服に対する印象やリサイクルへの意識ならびに被服の消費行動にどのような違いをもたらすか調査した。 <br> <b>方法 </b>福岡県内の制服着用者群(女子専門学校生88名、平均年齢19.90歳、SD 0.77歳)と私服着用者群(女子大学生96名、平均年齢19.81歳、SD 0.81歳)を対象に質問紙によるアンケート調査を2016年6月に行った(回収率100%)。制服・私服の着用の印象、職場での制服採用に関する賛否、衣服のリサイクルへの意識、実施状況、衣服の消費量等について回答を求めた。分析は、単純集計、t検定。<br> <b>結果 </b>制服着用者群は、制服に対する印象について「学内に一体感がでる、私服を考えなくてよい、資源の節約につながる、個人的費用が削減される」と評価した。制服着用者群は、私服着用群より将来一般職での制服の採用について賛成の割合が高かった。その理由には、「職場のイメージアップになる、組織のつながりを深める」という意見が多かった。また、衣服の消費量やリサイクル意識に関しては制服着用の有無によって差はみられなかった。制服着用者群、私服着用者群ともに衣料品の3Rに対する意識は低く、衣服を環境問題やリサイクルと結びつけて考えていなかった。
著者
庄山 茂子 大谷 紗友理 窪田 惠子 青木 久恵 栃原 裕
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.339-348, 2017-04-25 (Released:2017-04-27)
参考文献数
28

大学病院に勤務する看護師20 名を対象に,通常のユニフォーム,各自好きなユニフォーム,病棟内の話し合いで決定したユニフォームを着用した場合の3 条件で職務を遂行してもらい,ユニフォームの採用条件の違いが看護師の心理やチーム医療にもたらす効果を比較した. (1)病棟内の話し合いにより決定したユニフォームを着用した場合の看護師の仕事に対するやりがい感は,通常のユニフォームを着用した場合より有意に高かった.患者や同僚への声かけ,ストレス,緊張感については,ユニフォームの採用条件の違いによる差はみられなかった. (2)チーム医療に関する評価では,ユニフォームの採用条件の違いによる差はみられなかった.しかし,病棟内の話し合いにより決定したユニフォームを着用した場合においてのみ,「目標達成と向上心」が高い看護師は,患者や同僚への声かけが多く,やりがい感が高かった.「職務協働性」が高い看護師は,同僚への声かけが多かった.
著者
庄山 茂子 青木 久恵 窪田 惠子 栃原 裕
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.172-179, 2013-02-20 (Released:2017-05-30)
参考文献数
15

異なる6スタイルの看護服を看護師,歯科衛生士に着用してもらい,患者と看護師ならびに歯科衛生士(病院群)を対象に各スタイルの印象を調査し,スタイル間の印象の違いを明らかにした.(1)6スタイルの中で,「花柄のチュニックと白のパンツスタイル」は,患者群と病院群ともに看護 服として好ましい割合が高く,「ダークレッドパープルのスクラブと白のパンツスタイル」は,両群ともに好ましくない割合が高かった.特に,病気や治療に不安のある患者ほど「好ましくない」と回答した. (2)6サンプルの印象について因子分析の結果,患者群では,「思いやり,信頼・責任,積極性,活動性」の4因子,病院群では,「思いやり,信頼・責任,活動性,洗練」の4因子が得られた. 「思いやり」は花柄のチュニックや花柄のスクラブの因子得点が高く,「信頼・責任」は白のワンピースや白のチュニックに白のパンツスタイルの得点が高かった. 看護服のスタイルや色により,印象評価が異なることから,今後看護服の採用にあたっては十分な配慮が求められる.