著者
庄山 茂子 御領園 沙紀 加來 卯子 栃原 裕
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.60, no.11, pp.1025-1034, 2019-11-25 (Released:2019-11-25)
参考文献数
15

私服を着用して勤務する大学の女性職員24 名に制服を着用して勤務してもらい,私服着用時と制服着用時で,作業効率や仕事時の状況,職場のチームワークにどのような違いがみられるか調査 した.さらに,同大学の女子学生86 名を対象に私服着用時と制服着用時の事務職員の印象について調査し,次の結果を得た. (1)指定された3 文字を検索する検索問題では,文字検索数は制服着用時の方が私服着用時より有意に多かった. (2)仕事時の状況については,制服着用時の方が私服着用時より緊張感が有意に高く,私服着用時の方が制服着用時よりも有意に動きやすく違和感がないと評価された.チームワークに関して,私服着用時と制服着用時に有意な差はみられなかった. (3)学生による評価では,制服着用時は私服着用時より「信頼性・外見のよさ」の評価が有意に高かった.
著者
庄山 茂子 加來 卯子 栃原 裕
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間と生活環境 (ISSN:13407694)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.57-64, 2010-11

男性漁業従事者219名を対象に、紫外線に対する意識や対策ならびに紫外線対策としてのサングラス装着について調査を行った。世代別に分析し、次のような結果を得た。(1)年齢の異なる4群間で紫外線に対する意識や対策に有意差は認められなかった。4群ともに紫外線に対する意識は比較的高かった。(2)紫外線対策の実施状況は35歳〜49歳は約23%で、その他の群は約30%であった。具体的な対策の内容は、「帽子をかぶっている」、「長袖の服または長ズボンを着用している」であった。(3)サングラスの装着率は、50〜64歳は33.3%、その他の群は約25%であった。常時メガネを使用する者の方がサングラスを装着していた。(4)サングラス装着に対する抵抗感は、年齢が高いほど高く、65〜83歳では約50%であった。抵抗感のある理由としては、「視界がせまくなったようで作業がしにくいから」、「サングラスを着けると、周りの色が正しく見えにくいから」が多かった。(5)65〜83歳の21.7%は、白内障の眼疾患をもち、そのうち80%はサングラスを使用していなかった。
著者
加來 卯子 中村 比菜子 庄山 茂子 青木 久恵 栃原 裕
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.69, 2017

<b>目的 </b>循環型社会形成推進基本法が施行され、人々のリサイクルへの意識は高まっている。衣料品は、複合度の高さや製品の多様性からリサイクルし難いと言われるが、制服は同一素材であり一度に回収が可能なことから、リサイクルに適するのではないかと考えられている。そこで、制服着用の有無が制服に対する印象やリサイクルへの意識ならびに被服の消費行動にどのような違いをもたらすか調査した。 <br> <b>方法 </b>福岡県内の制服着用者群(女子専門学校生88名、平均年齢19.90歳、SD 0.77歳)と私服着用者群(女子大学生96名、平均年齢19.81歳、SD 0.81歳)を対象に質問紙によるアンケート調査を2016年6月に行った(回収率100%)。制服・私服の着用の印象、職場での制服採用に関する賛否、衣服のリサイクルへの意識、実施状況、衣服の消費量等について回答を求めた。分析は、単純集計、t検定。<br> <b>結果 </b>制服着用者群は、制服に対する印象について「学内に一体感がでる、私服を考えなくてよい、資源の節約につながる、個人的費用が削減される」と評価した。制服着用者群は、私服着用群より将来一般職での制服の採用について賛成の割合が高かった。その理由には、「職場のイメージアップになる、組織のつながりを深める」という意見が多かった。また、衣服の消費量やリサイクル意識に関しては制服着用の有無によって差はみられなかった。制服着用者群、私服着用者群ともに衣料品の3Rに対する意識は低く、衣服を環境問題やリサイクルと結びつけて考えていなかった。