著者
駒場 一貴 青木 啓一郎
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.83, no.5, pp.294-300, 2023 (Released:2023-11-30)
参考文献数
14

厚生労働省は地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進し,その中で作業療法士が重要な役割を果たしている.地域の支援体制には医療が含まれ,昭和大学附属病院はその一環として地域で重要な役割を担う医療機関である.本稿では,昭和大学の特色である急性期を対象とした作業療法士の実践について考察する.作業療法は,「作業」,すなわち人々が目的や価値を見出す生活行為を中心とした治療,指導,援助である.この観点から,急性期作業療法の役割は,患者が自分らしい生活を早期に獲得できるように,実践的な評価とアプローチを提供することであると筆者らは認識している.日本における作業療法士の実践内容や介入体制には大きな差異があり,それはこの分野がまだ発展途上であることを示している.したがって,本稿を通じて,多職種の専門家には急性期における作業療法士の役割について理解を深めていただきたい.また,急性期で従事する作業療法士に対しては,本稿が実践の参考になることを期待している.
著者
駒場 一貴 渡部 喬之 青木 啓一郎
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.43-51, 2023-02-15 (Released:2023-02-15)
参考文献数
29

【目的】本研究の目的は,本邦における救命救急・集中治療領域での作業療法実践に関するスコーピングレビューを行い,作業療法の実態を明らかにし,示唆を得ることとした.【方法】医中誌,CiNiiによる検索,Googleによるハンドサーチを行い,選定基準によりスクリーニングを行った.【結果】最終抽出文献は8文献であった.作業療法士が用いる評価指標としては身体機能,認知機能,精神心理機能,ADLの4つの項目で構成され,加えてIADL,環境調整を含めた項目に対して実践していた.【結語】近年,作業療法の報告は増加傾向にあり,本領域における作業療法の報告数の増加や有用性の検証が期待される.