著者
青木 義男 横田 隼
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.141, no.3, pp.163-166, 2021-03-01 (Released:2021-03-01)
参考文献数
5

1.天のケーブルカー構想「天体力学の法則によって物体が空に静止していられるものなら,そこからケーブルを地上へ垂らし,地球と宇宙空間とを結ぶエレベータができないだろうか?」(1978年『楽園の泉』アーサーC. クラーク著,山高昭訳,ハヤカワ文庫)。これは今から40年以上前にアメリカのSF作家
著者
青木 義男
出版者
一般社団法人日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.62, no.10, pp.325-330, 2014-10-05

従来から提案されてきた宇宙エレベータは,静止軌道に質量中心をもつ上下に長い衛星として,質量中心や端部を構成するステーションと間をつなぐケーブル(テザー)によって概念図が描かれている.ただし宇宙往還システムとしての宇宙エレベータには,ケーブルを昇降する機構が必要となることはいうまでもない.この昇降機構はケーブルを支索(軌道)として自立昇降するもの(ロープモノレール型),ケーブルを支曳索とするもの(ロープウェイ型)に大別され,様々な駆動制動方式や制御方式が検討され始めている.本稿では宇宙エレベータクライマが基本的に有すべき機能・性能について解説し,内外のクライマ開発事例について紹介する.また,現状での課題と共に今後検討が必要な要素技術について述べる.最後に宇宙エレベータクライマの開発モデルの宇宙往還機以外への応用事例として,ケーブル支持構造の自動点検用移動機構として検討されているプローブクライマについて言及する.