著者
高樹 英明 青葉 高
出版者
山形大学
雑誌
山形大學紀要. 農學 (ISSN:05134676)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.565-572, 1985-01-21

【緒言】チューリップ'GoldenHarvest'は,Multiflowered系統のものを除く他の大多数の品種と同様に,通常1茎に1花しかつけないが,年によって大球では花茎が上部で2~5本に分枝して,それぞれの分校の頂端に花をつける個体がかなり生ずる.この分枝現象は枝咲きといわれ,オランダではみられないが,わが国では問題になっている.枝咲きの発生が夏の涼しいオランダでみられないこと,また,わが国でも発生率が年によりかなり変動することなどから,環境要因とくに夏の高温・多湿が枝咲き発生に大きな影響を及ぼしているのではないかと従来からいわれてきた.著者の1人青葉は,枝咲きの誘起には掘り上げ期までの地温・気温や掘り上げ直後の条件の影響が大きく,貯蔵初期の高温条件がこれらに相加されて枝咲きを誘起するらしいことを前報で示した.本報では,校咲き発生を助長する要因とされている球根の大きいことや球根の高温貯蔵に関して,それらの要因の影響がどのような場合にあらわれやすいのかについて検討した.また,植物生長調節物質と枝咲き発生との関係や球根生産栽培での施肥条件と生産球の枝咲き発生との関係などについても検討した.本報はこれらの検討により'GoldenHarvest'の枝咲き発生に影響を及ぼす要因の種類とそれらの作用様式とを明らかにしようとしたものである.