著者
鈴木 貴和 須原 啓一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス
巻号頁・発行日
vol.112, no.370, pp.21-25, 2012-12-14

スイッチングアークの電圧電流を計算するとき,アーク電圧と電極間距離及びアーク電流の関係を表すアーク電圧電流特性が必要である.パラジウム電極のアーク電圧電流特性は,C. E. GuyeとL. Zebrikoffの研究論文に電極間距離0〜2 mm,アーク電流3〜15 Aにおける測定値が残されている[1].しかし,誘導性回路のスイッチングアークを計算するには2 mm以上,3 A以下の範囲のアーク電圧電流特性が必要である.今回,パラジウム電極のアーク電圧電流特性を,電極間距離0.1〜10 mm,アーク電流5 A以下の範囲で測定した.この測定結果とGuye, Zebrikoffの測定結果は,共通する範囲(0.1〜2 mm, 3〜5 A)においてよく合っている.
著者
須原 啓一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス
巻号頁・発行日
vol.112, no.370, pp.1-6, 2012-12-14

アーク放電を含む電気回路の電圧電流計算には、アーク電圧電流特性が欠かせない。アーク電圧電流特性は、アーク長・アーク電流・アーク電圧の三つの関係を示すものであり、その関係は実測によって求められる。実測方法には、大別して(1)固定電極のアークを利用する方法、(2)開離電極のアークを利用する方法、がある。筆者は、(2)の方法、しかもインダクタンスを含む回路を遮断するときの開離アークを利用し、実行している。この方法によってアーク電圧電流特性を求めると、開離アークの電圧電流計算に応用するに際して、他の方法にはない有利なことがいくつかある。ここでは、この測定方法の特徴を説明し、測定例を示す。
著者
渡邉 美乃里 須原 啓一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.466, pp.33-36, 2009-02-27

電気接点における、アークによる電流遮断を解析するためには、アーク電圧電流特性とアーク消滅特性が重要になる。アーク電圧電流特性については、AyrtonやHolmなどによって代表される多くの研究者による研究がある。しかし、アーク消滅特牲に関しては、Ayrtonの場合はアークが安定である電流を研究対象にしているため、消滅特性には触れていない。一方Holmの場合は最小アーク電流を提案しているが、実際はしばしば最小アーク電流とされる電流を下回って放電が観測される。本研究ではアーク放電の消滅特性を調べることを目的とし、アークが消滅する電流付近でのアーク放電継続時間を調べた。アーク電流が小さくなるにつれ、継続時間が短くなった。継続時間の平均は、最小アーク電流付近で、W電極、Cu電極、C電極が0.01〜0.1ms、Ag電極、Pd電極が0.1〜1.0msになった。