著者
五十嵐 光秋 坂地 泰紀 和泉 潔 島田 尚 須田 真太郎
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

決算短信の因果関係ネットワークを構築する実験を行った.因果関係を決算短信から抽出し,表現の類似度を算出してネットワークを構築した.類似度の計算には日本語版ウィキペディアのコーパスから作成したword2vecモデルを使用し,単語の重要度を表すidf値の組み合わせることで,単語ベクトルから因果関係表現のベクトルを獲得した.また、極性辞書を用いて因果表現の極性の反転を捉えることで,word2vecモデルにより同一視される対義語と類義語による違いを検出した.実験によってネットワークから,因果関係どうしを結ぶ100個のエッジを無作為に選択し、目視により評価した。 その結果、妥当な接続と考えられる割合は84%であり、さらにその中で極性の反転が正しく捉えられたエッジの割合は86%であった。
著者
鈴木 彰人 辻 晶弘 田代 雄介 須田 真太郎 鈴木 徳馬 伊藤 諒
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.3D4GS1004, 2022 (Released:2022-07-11)

世界では日々ニュースが発信され、金融市場や資産価格などに対して様々な影響を与えており、ニュースの情報量を把握することは非常に重要である。本研究の目的は、特定のイベントに対する各国の将来時点のニュースの量を予測することである。予測の際には自国のみならず他国からの情報波及の影響を考慮する必要があり、尚且つその波及に対して時系列構造を考慮する必要があると考えられる。本研究では、他国の情報を考慮したGAT(graph attention network)モデルを、時系列構造を考慮したLSTM-GATモデルに拡張することを試みている。実験の結果、LSTM-GATを用いて他国の情報を追加することで、自国ニュースの時系列情報のみを用いたLSTMや、他国情報は考慮するが時系列構造を考慮しないGATと比較して予測精度が向上することが分かり、本手法の有効性を確認することができた。