著者
松田 晃一 三宅 貴浩
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.10, pp.2698-2707, 2000-10-15

?stepcounter{footnote}近年のコンピュータ技術とネットワーク技術の進歩により,サイバースペースを実現する基盤が整ってきた.このような環境の中,3Dのマルチユーザ仮想空間の実用化研究がなされ,ユーザが同じ仮想空間内で同じ体験を共有できるメディアとして実現されてきた.我々は,これまで開発してきたCommunityPlaceシステム上に,JavaとVRML97を用い,パーソナルエージェント指向の仮想社会PAW(Personal Agent World)を構築し,数百人の同時アクセス,数千人の延べアクセスを目標とした大規模仮想社会の実験を行ってきた.PAWは,アバタとチャットという従来の仮想空間の持つ機能に加え,ユーザと一緒に行動する犬型のパーソナルエージェント,社会的・環境的なインフラストラクチャを持つ仮想社会である.今回,8カ月間の運用経験をもとに,仮想社会構築のインフラストラクチャとして必要な機能追加を行ったPAWの第2版(以下,PAW2)を開発し,運用を開始した.本論文では,PAWとその現状,PAW2での新機能について説明し,運用を通して得られた評価について述べる.この評価をもとに,PAWのような仮想社会を構築するのに必要な仮想社会ミドルウェアを提案し,今後の課題について考察する.
著者
松田 晃一 上野 比呂至 三宅 貴浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.82, no.10, pp.1675-1683, 1999-10-25
被引用文献数
36

最近のコンピュータ技術とネットワーク技術の進歩により,サイバースペースを実現するための基盤が整ってきた.このような環境の中,3Dのマルチユーザ仮想空間の実用化研究がなされ,参加したユーザが同じ仮想空間内で同じ体験を共有できるメディアとして実現されてきた.今後の重要なステップとしては,このメディアを仮想社会にまで昇華させることである.我々は,これまで開発してきたCommunityPlaceシステム上に,パーソナルエージェント指向の仮想社会PAW(Personal Agent World)を構築し,数百人の同時アクセス,数千人の延べアクセスを目標とした大規模仮想社会の実験を行ってきた.PAWは,アバタとテキストなどによるコミュニケーションという従来の仮想空間のもつ機能に加え,ユーザと一緒に行動する犬型のパーソナルエージェント,社会的・環境的なインフラストラクチャをもつ仮想社会である.本論文では,PAWのインターネット上での公開実験に関して,その設計方針,ユーザプロファイル,特性,コミュニティについてその結果を報告し,今後の課題について考察する.
著者
青野 慶久 松田 晃一
出版者
独立行政法人 情報処理推進機構 ソフトウェア高信頼化センター
雑誌
SEC journal (ISSN:13498622)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.50-53, 2012

企業にクラウドコンピューティングの利用が広がろうとしている。サービスとして提供するソフトウェア開発には、受託開発とは異なるメンタリティが求められる。世界と競争できる日本発のソフトウェアを開発しているサイボウズ株式会社の青野慶久代表取締役社長に、これからのソフトウェア開発や技術者のあり方について伺った。
著者
松田 晃一 三河 佳紀 森 重雄 中村 庸郎 岩谷 淳 加藤 義昭
出版者
苫小牧工業高等専門学校
雑誌
苫小牧工業高等専門学校紀要 (ISSN:03886131)
巻号頁・発行日
no.39, pp.31-35, 2004-03

Oji Engineering Co., Ltd is a company, supporting engineering works at paper product of Oji Paper Co., Ltd. In June 2002, Oji Engineering have presented new system, to control power station facilities for grade up, to Oji Paper. The system has some new information technologies like network, database, and this project is great step up for Oji Engineering. So, Oji Engineering offered to develop this system with cooperative, to Department of Computer Science and Engineering. We accepted this offer, have developed with Oji Engineering, and have completed this new system. We report about this project on this paper.
著者
松田 晃一 三宅 貴浩
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.10, pp.2698-2707, 2000-10-15
被引用文献数
29

?stepcounter{footnote}近年のコンピュータ技術とネットワーク技術の進歩により,サイバースペースを実現する基盤が整ってきた.このような環境の中,3Dのマルチユーザ仮想空間の実用化研究がなされ,ユーザが同じ仮想空間内で同じ体験を共有できるメディアとして実現されてきた.我々は,これまで開発してきたCommunityPlaceシステム上に,JavaとVRML97を用い,パーソナルエージェント指向の仮想社会PAW(Personal Agent World)を構築し,数百人の同時アクセス,数千人の延べアクセスを目標とした大規模仮想社会の実験を行ってきた.PAWは,アバタとチャットという従来の仮想空間の持つ機能に加え,ユーザと一緒に行動する犬型のパーソナルエージェント,社会的・環境的なインフラストラクチャを持つ仮想社会である.今回,8カ月間の運用経験をもとに,仮想社会構築のインフラストラクチャとして必要な機能追加を行ったPAWの第2版(以下,PAW2)を開発し,運用を開始した.本論文では,PAWとその現状,PAW2での新機能について説明し,運用を通して得られた評価について述べる.この評価をもとに,PAWのような仮想社会を構築するのに必要な仮想社会ミドルウェアを提案し,今後の課題について考察する.In recent years, communication network and computer technology enable tocreate a cyber space on the Internet. In this environment, several 3D sharedvirtual spaces are already realized. The next step is to realize a virtualsociety. We constructed the personal agent-oriented virtual society PAW (PersonalAgent World) on our own CommunityPlace system and evaluated it on theInternet. Unlike usual 3D chat systems, there are a lot of autonomous agentwith users and social/environmental infrastructure in PAW. After 8-month trial andevaluation of PAW (PAW1), we constructed PAW2 (the 2nd version of PAW) based on the PAW1. In this paper, we give an outline of the underlyingsystem of PAW, design policy, basic function of PAW1.According to the evaluation of PAW1, we describe new functions of PAW2 and its evaluation.Finally, we propose the ``Virtual Society Middleware"that enables to create a virtual society like PAW.
著者
松澤 和光 飯田 敏幸 松田 晃一 今井 賢一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.155-156, 1996-09-04
被引用文献数
1

個人がネットワークを通じて膨大な情報を扱えるようになりつつあるが、真に自分の望む情報を手に入れるのは簡単なことではない。そもそも望む情報が何であるかさえハッキリしない場合も多い。このため、検索対象を明確に指定する従来法に代わって、対象が漠然としていても柔軟に検索が行える新しい方式が必要とされている。こうした要求に応えるため、検索を進めながら対象を明確化する「想起型情報検索方式」を提案した。本稿では、この提案を実現するための具体的な機構として、NTTが開発した「概念ベース技術」を利用する方法を述べる。また、この機構を使った新聞記事の検索システムについて、その基本構想を述べる。
著者
飯田 敏幸 松澤 和光 松田 晃一 池原 悟 石野 福弥 今井 賢一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.153-154, 1996-09-04
被引用文献数
1

印刷物やインターネットを通じて提供される情報の量は日々増加し,我々人間が利用できる能力をはるかに越えている.そこで,必要な情報を適切に,しかも簡易に選択できるための新しい情報検索システムが必要である.今迄,情報検索のためのシステムが多数開発されてきたが,余り使い易いものではなかった.情報検索システム(ここでは文献検索システムを想定する)の利用の仕方には以下に示す各種のレベルがある.【レベル1】文献の題名,あるいは,文献を特徴付けるキーワードが分かっている.【レベル2】題名,キーワードは明確ではないが,探したい対象は明確である. 例:こんなことが書いてある.【レベル3】対象が漠然としている. 従来の情報検索システムでは,いくつかの質問キーワードの羅列,あるいは,それぞれに重みづけがされた論理式を利用者が与えなければならなかった.即ち,従来の情報検索システムは,レベル1または2の利用者を前提としていた.そこで,レベル3の利用者も同じインタフェースで利用しなければならず,これが使いにくさの原因の1つである.また,キーワード方式の従来の情報検索システムでは,システムに入力する質問キーワードの個数が少ないと,検索対象の絞り込みが十分にはできないために,検索の効率が落ちてしまう.そこで,検索効率向上のためには,沢山のキーワードが必要となるが,人手で沢山のキーワードを指定するには限界があるという問題がある.
著者
松田 晃一
出版者
社団法人人工知能学会
雑誌
人工知能学会誌 (ISSN:09128085)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, 2005-01-01

近年のコンピュータとネットワーク技術の発達により,これまでの1対1のコミュニケーションだけでなく,遠隔地にいる多人数の人間が同時に同じ仮想環境(共有仮想環境)を介してコミュニケーションしたり,同じ経験を共有することが可能になってきた.このような環境は,従来のCSCWシステムとは異なり,ネットワーク上にユーザが留まれる「場」の創出を可能とし,その環境に都市や街のメタファを導入することで新しい社会性をもつ環境(仮想社会)の構築を可能とする.このような環境の中では,従来のCSCWシステムにおける特定の目的を達成するための単なる作業支援だけではなく,ユーザ間の自律的な社会的インタラクション,コミュニティ形成,創造的な知的活動など社会的活動の支援までもが可能になる.著者らは,従来の共有仮想環境に,その環境内で個人を支援する,自然言語でインタラクション可能な自律型パーソナルエージェントと社会的・環境的インフラストラクチャを導入することで社会性をもつ共有仮想環境(PAW^2)を構築し,インターネット上に公開し大規模仮想社会実験を行い,さまざまな側面から評価した.本研究は,このような仮想社会の構築に必要な基盤システムの設計とアーキテクチャ,それを用いて開発された仮想社会の設計とアーキテクチャ,インターネット上で数千人のユーザを用いた仮想社会PAW^2の評価に関するものである.最後に,今後の本研究領域における新しい研究分野となる,次世代の仮想社会「自己充足型仮想社会」の提言を行い,本研究の結果からその可能性について議論した.