著者
飯田 智恵
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.395-403, 2011-08-01 (Released:2011-09-13)
参考文献数
26

【目 的】 豪雪地域の居宅高齢者の日常生活における身体活動量の季節変動を明らかにすることを目的とした. 【対象と方法】 2008年からの1年間, 月毎に7日, 豪雪地域に居住する健常高齢者5名に歩数計を装着してもらい, 歩数と活動時間, 対象者が書いた生活日誌の内容を分析した. 研究目的, 方法, 匿名性, 研究協力への自由意思について説明し, 同意を得た. 【結 果】 対象者の内2名は春季から秋季にかけて歩数と活動時間が多く, 冬季は少なかった. 残りの3名にこれらの季節変動はみられなかった. 【結 語】 季節変動がみられた者の日誌には, 歩数目標の設定と自己評価, 目標を達成するための工夫が表現されており, 身体活動量の季節変動には積極的な自己管理態度や行動特性が影響しているものと考えられた. 冬季には活動量の維持が困難であることから, 豪雪地域においては冬季の不利な気象条件による影響が低減されるような活動場所と機会の整備が求められる.
著者
飯田 智恵 山本 昇
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.1_43-1_50, 2004-04-01 (Released:2016-03-31)
参考文献数
24

安全な温罨法の表面温度と継続時間を検討することを目的に,熱による皮膚組織の変化を検討した。一定温度に保った銅管に,ウレタン麻酔下でマウス大腿部を接触させ,様々な温度と時間で加温後,7日後までの皮膚の変化を光学顕微鏡で観察した。42℃5時間または43℃以上の加温で表皮細胞核濃縮や表皮下水疱,肥満細胞脱顆粒,コラーゲン線維配列変化,白血球浸潤が観察され,7日後までに真皮深部まで壊死に陥った。42℃2時間加温では変性像が軽度見られただけであった。また異なる材質(アルミニウム管,ネル布,ポリエステル布)を接触させた場合,43℃2時間加温でも傷害の程度は銅管に接触させた場合より弱く,皮膚組織の壊死は観察されなかった。以上のことから43℃以上や42℃5時間の加温で低温熱傷発症の可能性が高いことが示唆された。従って,低温熱傷を予防するために温罨法の表面温度への配慮と適切なカバーの材質の選択が必要である。