著者
中沢 陽介 馬 信貞 李 蕾 塚越 徳子 大坪 充恵 天野 聡 舛田 勇二 中山 泰一
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.197-200, 2009-09-20 (Released:2011-12-09)
参考文献数
6

中国人女性の多くは目まわりの美容意識が高く,目袋の目立ちに悩んでいる。本研究では,中国人女性における目袋の実態および目袋の皮膚生理学的な特徴を明らかにすることを目的とした。目袋に悩む中国人女性を対象とし,目の下のたるみ,くま,しわなどの程度を視感評価した。さらに,画像解析によるヘモグロビン量とメラニン量の定量およびCutometerによる皮膚粘弾性の計測を行った。視感判定での目袋の目立ちは,下瞼のたるみや硬さとの相関がみられた。ヘモグロビン量は頬部よりも目の下で多く,目袋部位がうっ血している可能性が示された。くま部位では頬部と比較してメラニン量が高値を示した。皮膚粘弾性は目の下で低く,皮膚のハリが失われている可能性が示された。以上の結果から,中国人女性における目袋の悩みは,目の下の皮膚が形態学的に弛む現象に加え,うっ血や色素沈着などが影響している可能性が示された。