著者
馬場 紘彦 江端 正直
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.244-252, 1996-04-01 (Released:2017-06-02)
被引用文献数
1

本論文は, 一般ドライバの音環境(L_<Aeq>)を調べ, 電子サイレン音の検知レベルを測定し, 運転に向ける注意の効果や, 救急車の接近を予測していないこと等の要因に依る検知レベルの上昇を実験的に求め, 更に救急車の電子サイレン音に気づく距離を推測したものである。得られた結果は以下のとおりである。(1)運転中に聴く音楽のL_<Aeq>の平均値は67.0dBであり, L_<Aeq>が2dB大きくなるごとに約1.0〜1.7dB聞こえ難くなる。(2)車速が10km/h増すごとに, 約0.5dB検知レベルは上昇する。(3)予期時と非予期時との検知率の差は音圧レベルに依り異なる。そして, 検知率が50%付近では, 非予期時の場合は予期時の場合よりいき値が約6dB上昇する。これらのことから, 検知率は救急車の距離が10m遠くなるごとに計算上約13%減少する.
著者
馬場 紘彦 江端 正直
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.425-436, 1995-06-01
被引用文献数
2

本研究は、救急車の警告音について住民意識調査を行い、多重分析法を用いて因果分析を行い検討したものである。調査は、久留米市の救急病院周辺と住宅地の4地域を、メッシュ統計で区分けして、留め置き法で行い、1,183人の有効な回答を得た。分析結果を以下に述べる。警告音は、住民に交通騒音と同程度に邪魔に感じられており、不快感や睡眠の妨害等、心理的にかなりの影響を及ぼしている。次に、「気になる」ことに着目すると、その時間帯がほとんど夜間であり、昼間と答えた人は1.3%にすぎない。そして、すべての地域で「聞こえる回数」が強く影響を及ぼしている。また、「住居地と主要道路との間の距離」、「年齢」、「世帯」による差は、地区により異なる。
著者
馬場 紘彦 江端 正直
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.425-436, 1995-06-01 (Released:2017-06-02)

本研究は、救急車の警告音について住民意識調査を行い、多重分析法を用いて因果分析を行い検討したものである。調査は、久留米市の救急病院周辺と住宅地の4地域を、メッシュ統計で区分けして、留め置き法で行い、1,183人の有効な回答を得た。分析結果を以下に述べる。警告音は、住民に交通騒音と同程度に邪魔に感じられており、不快感や睡眠の妨害等、心理的にかなりの影響を及ぼしている。次に、「気になる」ことに着目すると、その時間帯がほとんど夜間であり、昼間と答えた人は1.3%にすぎない。そして、すべての地域で「聞こえる回数」が強く影響を及ぼしている。また、「住居地と主要道路との間の距離」、「年齢」、「世帯」による差は、地区により異なる。
著者
馬場 紘彦 江端 正直
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.95, no.141, pp.47-53, 1995-07-14

本論文は、救急車の乗務員2,295人に対して、電子サイレン音についての意識調査を行い、出動中における電子サイレン音の効果や心身への影響等を調べたものである。そして主に次の様な結果が得られた。(1)電子サイレン音は、時と場合により音の大きさを変える必要があり、特に交差点や交通の多い所で大きく、住宅や夜間では小さい方が望ましい。(2)一般車が実際に避譲する距離は30m以内で83%である。(3)電子サイレン音は心身に影響があると回答した人は約41%であり、その内容は、頭痛や耳の障害の他、精神的苦痛等さまざまである。
著者
馬場 紘彦 江端 正直
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.94, no.166, pp.9-14, 1994-07-22
被引用文献数
2

本論文は、救急車の電子サイレン音に気付くことが遅れると思われる二つの要因、1)車の運転に注意を向けている事に依るいき値の上昇、2)警告音(サイレン音)を(イ)予期している場合と、(ロ)予期していない場合に於けるいき値の差についてその効果を調べた。その結果、(1)車の運転時、速度が10km, h増す毎に約0.5dB(2.5m)、また、普通走行時は約1.5dB(8m)だけ検知が遅れる。(2)(イ)と(ロ)の場合に於ける検知率の違いは、その人数の割合に依り異なり、(ロ)の検知率は、ほぼ音圧レベルに比例し、1dB減少する毎におよそ10%減少する。以上の事から、実際の路上を走行するドライバーが、どれ程の距離で救急車の接近に気付くかを予測している。
著者
馬場 紘彦 江端 正直
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.244-252, 1996-04-01
被引用文献数
1

本論文は, 一般ドライバの音環境(L_<Aeq>)を調べ, 電子サイレン音の検知レベルを測定し, 運転に向ける注意の効果や, 救急車の接近を予測していないこと等の要因に依る検知レベルの上昇を実験的に求め, 更に救急車の電子サイレン音に気づく距離を推測したものである。得られた結果は以下のとおりである。(1)運転中に聴く音楽のL_<Aeq>の平均値は67.0dBであり, L_<Aeq>が2dB大きくなるごとに約1.0〜1.7dB聞こえ難くなる。(2)車速が10km/h増すごとに, 約0.5dB検知レベルは上昇する。(3)予期時と非予期時との検知率の差は音圧レベルに依り異なる。そして, 検知率が50%付近では, 非予期時の場合は予期時の場合よりいき値が約6dB上昇する。これらのことから, 検知率は救急車の距離が10m遠くなるごとに計算上約13%減少する.