著者
駒井 克昭 日比野 忠史 大釜 達夫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B (ISSN:18806031)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.165-179, 2008 (Released:2008-08-20)
参考文献数
34
被引用文献数
1 2

黒潮流路,河川流量,および瀬戸内海の開口部水位等の経年変化特性に基づいて1982∼1999年を3期に分けて解析し,瀬戸内海の流れ場に及ぼす黒潮の蛇行・直進の影響を明らかにした.まず,実測の密度分布および気圧配置の季節変動を考慮した平面二次元モデルによって瀬戸内海全域の流れ場を解析し,通過流量の強さと流向の変化は下層の低塩分水塊の滞留域の変化によく一致することを示した.次に,運動量保存則に基づいた考察から,黒潮流軸の位置とそれに沿った流速等の水理量を三角級数で近似する数値モデルを構築した.瀬戸内海の通過流量は1010m3/monthのオーダーで期毎に異なり,黒潮流路の蛇行・直進による影響は季節変動量の約3∼4割に相当することが推定された.
著者
緒方 敬亮 中山 恵介 尾山 洋一 駒井 克昭 堀井 慎太郎 曽宮 雄一郎 熊本 悦子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.I_1267-I_1272, 2020 (Released:2021-11-30)
参考文献数
10

国の特別天然記念物である阿寒湖のマリモは減少傾向にあり,生長や球化,維持機構に関する知見の集積が急務となっている.本論文では,マリモの挙動に個別要素法(DEM)を適用し,DEMにおける弾性係数
著者
金 キョンヘ 駒井 克昭 日比野 忠史
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.991-995, 2008-10-10 (Released:2010-06-04)
参考文献数
5
被引用文献数
1

The Seto Inland Sea, which 21 1st grade rivers are flowing into, is a semi-enclosed shelf sea connected to the Pacific Ocean through two open boundaries. It is considered that current is controlled by the difference in sealevel between two boundaries accompanied by the variation of Kuroshio path. And the sea level height is variedby the distribution of salinity formed by the current characteristic. In this study, we investigated the relation ofsalinity distribution and boundary sea level height in the whole area of the Seto Inland Sea using field observationdata and numerical calculation in order to analyze the sea level variation characteristics.
著者
中下 慎也 日比野 忠史 駒井 克昭 福岡 捷二 阿部 徹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B (ISSN:18806031)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.344-358, 2010 (Released:2010-11-19)
参考文献数
29

太田川放水路に形成されている干潟の特性を明らかにするために,1996年から2008年にかけて底質,水質の経年変動,生物分布および有機泥の捕捉調査を行った.さらに,生態環境の形成に果たす河川構造物の役割について検討するために,生物分布,底質,地下水質,地下水位調査を行った.調査結果より,二枚貝の棲息には地盤内の間隙の保持等,地下水流動によって起こる二次現象が重要であることを明らかにした.また,護岸前後に形成された水位差によって促進される地下水流動が地盤内の間隙への有機泥の堆積抑制等に寄与していることを明らかにし,地下水環境を考慮した河川構造物の構築により安定した多様な生態環境が形成されることを示した.