著者
駒井 由起子 比留間 ちづ子 宮永 和夫
出版者
日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.163-173, 2005-04-15

要旨:若年認知症は興奮,暴力,俳徊を主な精神症状とし,発症時のライフサイクルは社会的役割の大きい時期であり老年期認知症とは様相が異なる.社会的認知は低く利用可能なサービスは少ないと同時に,患者は現状のサービス適応が困難である.そのため家族の介護負担は計り知れず,患者を取り巻く状況が複雑に影響し合う特異的な障害構造を呈する.若年認知症家族会「彩星の会」はサービスを補う社会資源として存在し,家族とサポーターが協働で抱える課題に取組んでいる.若年認知症の現状,経過,障害構造についてまとめ,家族会の社会的意義および作業療法士の役割について活動を通して紹介し,専門的支援の必要性と進捗状況,課題について整理する.