著者
山口 範晃 駿河 和仁
出版者
長崎県立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

肥満を発症するOLETF ラットの脂肪組織では、幾つかのビタミンA代謝関連遺伝子が変動した。特に、レチノイン酸合成酵素RALDH1遺伝子発現および脂肪組織中のレチノイン酸含量が減少していたことから、肥満状態ではレチノイン酸合成能が低下する可能性が示唆された。また、マウスの脂肪細胞3T3L-1細胞を用いた実験では、βカロテンを添加して培養したところ、その細胞の分化・成熟が抑制された。その機序として、核内受容体PPARβ/δを介して誘導されている可能性が示唆された。
著者
山口 範晃 駿河 和仁
出版者
長崎県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

ビタミンAは体脂肪量を調節する作用があることから、肥満の予防や治療に寄与できる可能性があるが、その一方でどの程度摂取すれば体脂肪量が減少するか、もしくは適正な体脂肪量が維持できるかは十分に決定づけられていない。また、ビタミンAによって体脂肪量が調節される機序についてもいくつか研究報告があるものの、まだ十分に解明されていない。本研究ではその機序を解明するにあたり、エネルギー代謝を調節する重要な因子であるAMP-activated protein kinase (AMPK)に着目し、ビタミンAによってAMPKシグナリングがどのように調節しているかを明らかにする。
著者
山口 範晃 駿河 和仁
出版者
長崎県立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

高脂肪食を摂食させたマウスは、標準食を摂食させたマウスよりも脂肪組織重量が増大したが、それと同時にビタミン A (all-trans レチノイン酸: ATRA)を経口投与したマウスは、脂肪組織重量の増加を抑制した。さらに、呼気分析によるエネルギー消費量を測定したところ、ATRA を投与したマウスは、脂質由来のエネルギー消費量が増大した。このことから、ATRA は、高脂肪食の摂食による体脂肪の蓄積を抑制することが示唆された。