著者
村田 伸 合田 明生 中野 英樹 安井 実紅 高屋 真奈 玻名城 愛香 上城 憲司
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.67-71, 2020-07-22 (Released:2020-08-04)
参考文献数
23

本研究の目的は,デイサービスを利用している34名の女性高齢者を対象に,30秒椅子立ち上がりテスト(30-sec Chair Stand test; CS-30)と虚弱高齢者用10秒椅子立ち上がりテスト(10-sec Chair Stand test for Frail Elderly; Frail CS-10)を併せて行い,大腿四頭筋筋力とともに各種身体機能評価の測定値との相関分析から,デイサービス事業所で実施しやすい下肢機能評価法を検討することである。相関分析の結果,大腿四頭筋筋力と有意な相関が認められたのは握力のみであったが,CS-30とFrail CS-10はともに握力・最速歩行時間・Timed Up Go Test·Trail making test Part A との間に有意な相関が認められた。さらに,Frail CS-10のみ通常歩行時間とも有意な相関が認められた。これらの結果から,特別な機器を必要とせず,簡便に短時間で実施できるFrail CS-10は,デイサービス利用高齢者の歩行能力や動的バランスを反映する下肢機能評価法であることが示唆された。