著者
高砂 裕之 高山 晴夫
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.114-119, 2011 (Released:2012-03-14)
参考文献数
15

造成地において生じた森林土壌の下層土を起源とする未熟土を対象として土壌分析を行った結果,未熟土は pH 4.9 と酸性で,植栽基盤の整備目標値と比較して養分に乏しく,また,礫含量が多く保水性も低かった。この未熟土にバーク堆肥を 10 vol%と 20 vol%混合すると,養分含量が高まり,有効水分保持量も高まった。また,この未熟土にバーク堆肥(配合量;3,6,9 L/株)と肥料を施用し,アカマツ,コナラ,エノキ,クスノキの苗木による 2 年半の植栽試験を行った。アカマツはバーク堆肥施用量が多いほど樹高と枝張りの相対成長率が高くなったが,株元直径の成長にはあまり差がなかった。一方,エノキは 6 L 区で最も成長が良いなど,バーク堆肥施用量と苗木成長における資源配分との関係や樹種による違いが明らかとなった。
著者
越川 義功 高山 晴夫 竹内 康秀 真崎 達也 大城戸 博文 藤井 暁彦 林 健二 渡邉 洋
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.II_73-II_81, 2015 (Released:2016-06-01)
参考文献数
30

ダム建設工事では,工事区域での樹木伐採や剥土に伴い,昆虫類の生息場が短期間で広範囲に減少する.施工者による自然環境保全の取り組みのひとつとして,伐採材を活用した木柵(エコスタック)設置により,昆虫類の代替生息場の確保を実施した.設置からわずか1カ月後の調査において,木材に依存するカミキリムシ類、オサムシ類等をはじめとした56種の昆虫類がエコスタックで確認された.その後も季節による変動はあるものの,多くの昆虫類がエコスタックを利用しており,伐採材を利用したエコスタック設置は昆虫類の代替生息場の提供として有効に機能することが確認できた.